中目黒のアルドアーズというお花屋さんは、私が「ヴァンテーヌ」を担当していた頃からのおつきあい。撮影でも、プライベートでもお世話になっています。まだ、知り合って最初の頃、撮影で短く切ってしまった花を、アルドアーズのスタッフが小さな銅製のお皿に浮かべているのを見ました。お花屋さんは仕事柄、切り落とした花にはあまり頓着しないことが多いのに。気づいてみると、店先でもいつもそうして、短くなった花や残った葉を浮き花にして置いているのでした。その優しい手がつくるブーケは、やっぱりとても優しく、美しい。家で浮き花にして、最後の花を楽しむとき、いつも思い出すのは、そんな優しい手の存在です。