2017.9.23

映画 「50年後のボクたちは」〜 青春のかけらを辿りながら

 

いつ頃からでしょう・・・「友情」という言葉がどんどん遠いものに感じてしまうようになったのは。

徐々にその存在は薄れ、代わりに人間関係の構築を重視し、順応性を持って「大人社会」にうまく適応することに意識が向いてきたような気がします。

ママ友だったり、仕事でのお付き合いだったり、自分が置かれた立場から派生する人間関係は大切なものですが、「ホンネで向き合える」とか「自分のことを二の次にして守りたい関係」とまでは言い切れるかといったら微妙なところ。でも、それが大人になった証でもあり、自立した大人の関係なのかもしれません。

先日観た映画「50年後のボクたちは」はドイツを舞台に14歳の少年たちが繰り広げるロードムービー。ドイツで220万部超えの大ペストセラー「14歳、僕らの疾走(ヴォルフガング・ヘルンドルフ作)」が原作です。

ヴォルフガング・ヘルンドルフ作「14歳、僕らの疾走」

クラスで存在感の薄いマイクと、ロシア移民で同じ学校に転校してきたチック。どちらもクラスで浮いた存在ですが、ブルジョワな家で育ち気の弱いマイクと、ロシア移民という立場で悪さばかりするチックは、昔はクラスによくいた「いじめられっ子と不良」という典型的なパターン。お互いないものを補える最強の凸凹コンビとも言えます。

二人が出会った当初、マイクはチックの独特な出で立ちやみすぼらしい格好を見て、彼の存在を疎ましく思いますが、クラスの一番人気のマドンナ、タチアナのバースデーに揃って呼ばれなかったことで、なぜか意気投合。そして二人の夏休みが始まり、絆を深めていきます。

左:マイク役のトリスタン・ゲーベル 右:チック役のアナンド・バトビレグ・チョローンバータル。難しい年頃の微妙な心理を見事に好演。チック役のアナンドは、これがスクリーンデビューらしいのですが、そうは見えないほど堂々とした見事な演技力!

正直、こんな悪ガキ関わりたくない・・・と思うかもしれません(笑)。でも、困難を恐れず挑み続ける彼らを見ていると、そんな思いよりむしろ羨望の思いが強く込み上げます。そして自分の身を盾にしても友情を守り抜く純粋な思いや、本音を語れる関係性に、大人の誰もが戻らぬあの頃へのノスタルジーを感じずにはいられない作品です。

50年後の彼らを想像しながら、夢膨らむ帰り道でした。