2017.10.4

生き方もシンクロさせたい、
“経年優化”する機械式時計・・・by美容ジャーナリスト 松本千登世

フランク・ミュラーの「カサブランカ」とベル&ロスの「ヴィンテージ」。個人的には、まだ全然“古足りない”と思っているので、これからどんどん味わい深くなっていくのが楽しみ。

20代の頃から機械式時計にしか興味がありませんでした。なぜなら、機械式時計には“経年優化”を感じるから。面倒を見ないと止まってしまう、時にはズレが生じてしまう、どちらもまるで生きているかのようで愛着が湧きます。“時間を知る”というよりは、“時を刻む”ために寄り添ってくれているような。年月を重ねるほど味わいが増して“いい顔”になり、さらに愛すべき存在になっていく気がする・・・というのは、もしかしたら、自分自身がそうありたいという思いを重ね合わせているのかもしれません。

フランク・ミュラーとベル&ロスは、ともに30代の頃に手に入れました。特にフランク・ミュラーは20代から憧れていたブランド。ステンレスモデルがデビューし、シンプルながらも個性的なルックスや幅広いファッションやシーンに合う点が購入の決め手となりました。ベル&ロスは、その後、女性誌の編集部にいた35歳当時、PRの方に“日本初上陸ブランド”としてご紹介いただきました。メンズライクな佇まいが、“ハズし”として重宝してくれそうな気がして購入。もちろん、どちらにも共通していたのは、時が経つほど表情に深みが加わりそうな、タイムレスな美しさでした。

その後、40代には40代の、50代には50代の“顔=時計”を手に入れたいと思い続けてきたのですが、40代で自分の顔を見失ってしまい、今もまだ揺れ続けている気がして、時計も決めきれずにいます。本当は、30代後半頃から“次に購入するならブレゲの「アエロナバル」”と思っていたのですが、たぶん私は、自分のなかの“女性らしさ”をどう表現していくべきか、ずっと迷っているんですね。ブレゲのある意味無骨さが、わざとらしくなりはしないか、そこがどうしても引っ掛かるのです。今の自分は、人生の“次のステージ”に向かうため、自分を観察・分析している最中という感覚。それにひとつの結論が見えた時、新しい時計を手に入れることができるのではないかと思っています。

フランク・ミュラーは、エレガンスからカジュアルまで本当にスタイルを選びません。レザージャケット×デニムのようなラフなスタイルにも、大人らしいクラス感を添えてくれます。
ベル&ロスは、フェミニンなスカートスタイルの引き締め役として活躍。ウールのベルトは秋冬用。夏は白のレザーベルトに付け替えて、軽やかな印象にスイッチします。


CREDIT:
(フランク・ミュラーのカット)
ジャケット/リック オウエンス
Tシャツ/ヴィンス
デニム/ヴェトモン
ラリエット/シャーロット・シャスネ
リング/ミズキ

(ベル& ロスのカット)
ジャケット/メゾン・マルジェラ
ノースリーブトップス/ゼロ マリア コルネホ
スカート/バレンシアガ
バッグ/イヴ・サンローラン
靴/バレンシアガ

PROFILE 松本 千登世さん

1964年生まれ。美容ジャーナリスト、エディター。航空会社の客室乗務員、広告代理店勤務を経て、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に勤務。その後、講談社「Grazia」編集部専属エディターなどを経てフリーランスに。「GLOW」「My Age」など多くの女性誌で連載中。

構成・文/村上治子