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次世代を担う若手職人たちの米沢愛②【from米沢サテライト】


農業から始まった、米沢との強く深い縁

 

次に、他県から米沢へ移住した方にもお話を聞いてみました。農家の千葉陽平さんは、愛媛県松山市出身。もともとは建築関係の仕事をされており、その都合で山形に移住するも離職。米沢にそのまま留まり、偶然の出会いをきっかけに八百屋さんで働き始めたことから、野菜の奥深さに目覚めたのだそうです。

「最初はとにかく安さを売りにしていたんですが、ある日お客さんから“無農薬野菜はありますか”と聞かれて。野菜のことを何も知らなかったのでそこから自分で勉強して、“いい野菜ってなんだろう”と考えた先に行き着いたのが自然栽培だった。無肥料・無農薬で育てられたにんじんを初めて食べた時にめちゃくちゃ感動したんです。八百屋の仕事で知り合った農家さんたちにもぜひ作ってほしいと薦めたんですが、収穫量が不安定なので誰もやりたがらないんですよね。だったら、自分でやるしかないと」

大豆畑で、2人のお子さんと。お子さんたちも、千葉さんが作った野菜とそうでないものはひと口食べただけでわかるのだとか。

現在は米沢市郊外の南原地区で、蕎麦をメインに大豆や野菜を栽培。とくに蕎麦は南原地区の名産品ですが、近年は生産者が減少しているそうで、栽培を始めたのは“400年続く歴史を絶やしたくない”という気持ちもあったとか。千葉さんの蕎麦は乾麺1束で1080円というお値段にもかかわらず、その美味しさから評判に。今では全国から注文が殺到する人気ぶりです。

「山形ちば吉」の屋号で販売している蕎麦は、豊かな香りと十割とは思えない喉ごしのよさが自慢。そば湯も絶品とか。通販のほか、米沢市内の『心那や』さん(米沢市大町5-5-4/tel. 0238-40-8870)でいただくこともできます。

「乾麺の“なにもない時の常備食”みたいなイメージを“特別な日のためのご褒美”に変えたかったんですよね。蕎麦が有名になると『自然栽培での経験を子どもたちに話してほしい』と、僕自身が呼ばれて講演などもさせていただくようになりました。さらに今度は、その話を聞いた市役所の方から『今度できる道の駅で何かやってみないか』と。農業って、作ったものを介して人との繋がりができるのが面白い。今後はそれをどう活かしていくかですね」

農家5年目ながら、すでに米沢の農業の顔役のひとりになっている千葉さん。道の駅で担当するのは総菜部門で、その名も『かぁちゃんの台所』。地元で採れた農産物を地元のお母さんたちがその場で調理し、米沢ならではの手作りの味を提供していく予定だそうです。そして、やはりここでもキーワードとなるのは“人”なのだとか。

『かぁちゃんの台所』のメンバーと。皆さんとってもいい笑顔!「味はもちろん、地域のおかあさんたちが輝ける場にもしていけたら」。

「道の駅なので基本は市外からのお客さんに向けた施設になりますが、こういった場所でリピーターになってくれるお客さんはみんな、人に会いに来るんだと思うんです。訪れたきっかけは食べ物や文化だとしても、そこで出会った人との交流から、街への愛着が生まれる。またあの人に会いたい、あの人から買いたいと思ってもらえるような場所にしたいですね」

千葉さんをはじめ“米沢大好き!”な人たちが全力で盛り上げる『道の駅 よねざわ』は、いよいよ4月20日オープン! 米沢のお母さんたちの優しい笑顔に、皆さんもぜひ会いに行ってみてくださいね。


「道の駅 よねざわ」
住所:米沢市大字川井1039-1(東北自動車道 米沢中央IC付近)
tel. 0238-40-8450(アクセスよねざわ・道の駅よねざわ準備事務所内)


「山形ちば吉」
住所:米沢市太田町4-1-144-3
tel. 080−5222−3026

撮影/編集部(ギータ青年) 取材・文/山崎恵
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