旅でしか味わえない感動を、子供と一緒に。国内&海外の旅の記録とノウハウを詰めこんだ“旅育本”『TRIP with KIDS -こありっぷ-』を上梓したクリス-ウェブ佳子さん。インタビュー後編では、昨年だけで10ヵ国以上を旅したなかでも佳子さん太鼓判の、子連れにおすすめの旅先・ベスト3をご紹介します!

クリス-ウェブ佳子さん流“旅育”とは?
「私は子供と旅に出る時、その土地の歴史や文化をできるだけ細かく伝えるようにしています。そうすると、どんな場所でも自分から興味を持って楽しんでくれるんです。子供が退屈しちゃうのは”そこがどんな場所なのか、何も知らないから”だったりするところも大きいですよね。そしてもう一つ大切なのが、“子供は自分が体験したことを決して忘れない”ということ。体験を通して感情が豊かになり、成長していくー。これを全部実践できるのが子連れ旅の楽しさなんです」


クリス-ウェブ佳子さんに聞く
おすすめの“子連れ旅先”BEST3



1.アイスランド
大自然の美しさに言葉を失う、アドベンチャーな旅

クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー1_1
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クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー1_4

訪れたのは11月下旬、初雪が降った翌日だったそう。「空も大地も、空気までが真っ白な世界は本当に幻想的でした…。車の中から見る景色もすべてがアドベンチャー!もちろん季節関係なく、いつ行っても素晴らしい景色を楽しめます」

直行便なし、ヨーロッパ経由で最短でも2日がかり、と少々ハードルの高いアイスランドですが、それでも親子で行く価値がある!と断言する佳子さん。次女の紅ちゃんも、“再訪したい国No.1”に挙げるほど気に入ってくれたそう。
「都心に暮らしていると大自然に触れる機会もあまりないので、日本ではまず見ることのできない壮大な景色は、子供にとってものすごいインパクトだったようです。ビョークの写真でも有名な露天風呂『ブルー・ラグーン』は、向こう側が見えないほどの広さ! 娘と一緒に泳いだり泥で遊んだり、かれこれ2時間以上も浸かっていました。朝日に染まったピンク色の空が幻想的な、早朝に行くのがおすすめです」
 

2.タヒチ&モーレア
大人が童心に返って、子どものように遊べる旅

クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー2_1
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クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー2_4

グーグルマップで見つけた一番青い海を目指して車を走らせたり、滝壷に飛び込んだりと、海と山を満喫。「どこを見ても息をのむような景色が広がるので、移動中も全然退屈しませんよ。私にとっては『ジュラシックパーク』だと感じる景色は、娘にとっては『アバタ―』の世界だそうで、ジェネレーションギャップを感じました(笑)」

昨年はじめて訪れたタヒチ&モーレアは、ほかのビーチリゾートにはないフランス領独特の雰囲気にすっかり魅了されたそう。子供たちも大満足で、また訪れたい場所の一つに。
「モーレアはどこまでも透明な遠浅の海、タヒチの海は塩分濃度が高く立ったまま身体が浮くんです!“自然と遊ぶ”をダイナミックに叶えられる場所ですね。宿は、Booking.comで見つけた一軒貸しのコテージ。地元で獲れた魚を買って、みんなでご飯を作ったのですが、親指の爪くらいあるウロコを浜辺でガシガシはがしたり、真っ青な身をお刺身で食べたり(笑)。アウトドアな感じで、普段できないことをたくさんできたのもよかったです」


3.愛媛県・宇和島
食、文化、そして人。日本の魅力を再発見する旅

クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー3_1
クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー3_2
クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー3_3
クリス-ウェブ佳子さんの「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第2回】スライダー3_4

本で紹介しているのはすべて、地元の人に聞きながら佳子さんが自分の足で探した場所。「美しい景色も美味しいものもたくさん!おすすめばかりなのでぜひ訪れてほしいです」

宇和島を訪れたのは、友人から薦められた『木屋旅館』がきっかけ。古い旅館を再生した一棟貸しの宿で、最大25人も泊まれるのだとか。
「随所にアクリルなどの異素材を組み合わせたり、部屋ごとに照明の色を変えられたりと、アートな要素も。周囲は民家もなく、子供が少し騒いでしまっても大丈夫な環境なので、複数の家族での旅行にもぴったりです。古きよき日本の風景がそのまま残っていながら、観光地化されていないのもいい感じ。たまたま見つけた醤油屋さんや味噌屋さんでは、仕込みの見学までさせてもらいました。日本の歴史や食文化、そして人のあたたかさに触れられる、贅沢な旅ができますよ」


「宇和島はもちろん、アイスランドもタヒチも比較的治安のいい場所なので、子どもと一緒に是非いろんなところを歩いてみてください。子どもは“動く天才”。大人は目的があって動くけれど、子供はそうではないから、私たち大人じゃ辿り着けない素敵な場所を偶然見つけてくれることもあるんです」と、佳子さん。インタビュー前編も、子連れ旅をもっとポジティブに、とことん楽しむためのコツが満載。こちらもぜひチェックしてくださいね!

 
TRIP with KIDS -こありっぷ-

クリス-ウェブ佳子 著 1500円(税別) 講談社 刊

パリ、東京、シンガポール&ビンタン、アイスランド、尾道、etc.……。webサイト『ベビモフ』の連載で訪れた国内外11カ所の詳細なガイドのほか、ヘアメイクアップアーティスト・イガリシノブさんら10人が子連れ旅の魅力を語る『十人旅色』なども追加収録。自らの経験や失敗から導き出した、子連れ旅を何倍にも楽しくする方法と、旅を子供の成長の場に変えるコツが満載。

文/山崎恵
構成/朏亜希子(編集部)

 

「子供も親も楽しい♡“旅育”のススメ」【第1回】はこちら>>