ふくさ(袱紗)も私のお役立ちアイテムのひとつです。(茶道で使うふくさもありますが、今回は、金封や祝儀・不祝儀袋を包むものとしてご紹介しますね)

ふくさを使う目的は、中の封筒が汚れたりしないようにという実用性だけではなく、相手を思い、共にする気持ちを伝えるという心遣いの意味もあります。
また、ふくさから中身を出してお渡しするという丁寧なしぐさに、相手を敬う気持ちがあらわれていると感じます。

サイズは約40〜45センチ四方のものが多く、絹や縮緬の四角い布状(小風呂敷とも言います)のものに加えて、ケース状で簡単に包むことができるものまで。柄もさまざまで、左手前のオレンジ色のものは、貝合わせの図柄でお祝いごとにぴったり(銀座の志ま亀で購入)。右手前は宝袋の柄が京刺繍で。奥はかわいらしい飛び絞りのちりめん地です(黒と黄色は祇園のゑり萬、ピンクはに志田で購入しました)

あらたまった場(お悔みやお祝い)だけではなく、舞台のお祝いやから楽屋のお見舞いまで普段から大活躍。紫色は慶弔共通で使用できるということで、私は刺繍で名前を入れたものを用意しています(写真左から2番目)。

お値段もさまざまで、数千円程度のポリエステル製のものもありますが、正絹のものでもだいたい1〜2万円程度と、和小物のなかでは 手軽に購入できるアイテムです。お手入れも特に必要なく(とても汚れてしまったらクリーニングに出せばOK)、見ているだけでもかわいいので、つい目につくたび手に取ったり、頂き物をしたりして今は20枚ほどに!
例えば京都へお出かけされたりした時に、和小物屋さんを覗いてみると良いかもしれません。自分テイストのものに出会えたらぜひお手に取られてみてください。「あらかわいい。案外便利じゃない?」という新鮮な発見があると思います。

PROFILE 関 瑠璃

1968年東京都武蔵野市生まれ。幼いころより音楽に触れ、桐朋学園で学ぶ。40才の時に、ふと一念発起して三味線音曲(小唄)の世界に。小唄を精進するにつれ和の世界への興味が高まり、2年ほど前より日本舞踊家のお手伝いなどを始める。まったくの洋の生活の環境で育ちながら、この年齢になって和のしきたりを学ぶことは、新たな発見の連続。周りのかたに恵まれたことに感謝し、背伸びせずできることをしてゆきたいと日々奮闘している。