ぽっちゃり体型で『キューティ・ブロンド』並みにガーリーな衣装を着こなすエイミー・シューマー(超・美脚!)が可愛くて、ファッションチェックも楽しい映画『アイ・フィール・プリティ』。セクシーなインスタグラムでお馴染み、エミリー・ラタコウスキーも正しい使い方をされています(笑)。

この映画、太めの体型にコンプレックスを持ったヒロインのレネーが、ある日頭を打ったことで自分が絶世の美女になったと思い込み、自信満々になってキャリアも恋も手に入れる、というストーリー。観終わったあと、「どんな外見であろうと自分がハッピーかどうかを決めるのは自分自身だし、行動さえすれば人生は変えられるんだ!」という前向きな気分になれるのでとってもおすすめなんですが、この映画を観ていて、「ああ、こういうことなんだ」と。

これは「#MeToo」運動にも感じることなのですが、権利の主張って行き過ぎると逆差別を産むと思うし、何よりしなやかじゃない気がするんです。だけど『アイ・フィール・プリティ』は、ヴィクシー・バッシングしている人たちが主張したがっているのと同じメッセージを、誰を攻撃することもなく、軽やかにスマートに、そして何よりポジティブなやり方で示している。同じように権利(?)を主張するのなら、こっちの方が断然いいと思いませんか?

痩せすぎモデルたちが登場する広告が女性たちのボディイメージに対してのプレッシャーとなるのもわかるけれど、消費者ってそれほど馬鹿じゃない。健康的な体型の魅力的な女優やモデルが増えて来ている中、以前より自分のありのままのルックスや個性を生かすおしゃれやヘアメイクを楽しむ女性が多くなっている印象を受けます。

ストイックに鍛えてパーフェクトなスタイルを維持している人を見て「私もがんばらなきゃ」と刺激を受けることもあれば、ぽっちゃり体型でもキュートな女性を見て「可愛いな」と思うことだってある。それこそが美のダイバーシティですよね?

ヴィクシーにはヴィクシーの世界観や美の定義があっていいと思うし、そこに「ぽっちゃりも受け入れろ!」と詰め寄るのは、それこそ傲慢なんじゃないのかな。―もちろん影響力の大きい大企業だからこそ多様化を求められているという背景は大前提で。

いろんな美が存在していて、どれを目指すか、選ぶかはその人次第。もうブロンドヘアのバービードールのような画一化された美女に誰もが憧れる時代じゃない。それは、以前はランジェリー市場でトップを独走していたヴィクシーの売り上げが2013年から減少し続けているという事実がすでに指し示していること。

だから我々女性は美の固定概念からもっと解き放たれて、個々の美しさで咲き誇っていけばいい。体型だけじゃなくて、もちろん年齢にだって縛られることはないんだなあと勇気付けられた年初。
そんな流れの中、『アイ・フィール・プリティ』を観た後に今更ながらハマっているのがCHAIの『アイム・ミー』。コンプレックスを吹き飛ばし、女の子の「可愛い」の概念を覆す「ネオ可愛い」というコンセプトとリリックが話題の日本のガールズ・バンドなのですが、特にこの曲が「I’m me(私は私)」や「私が私を可愛くするの」という歌詞など含め、『アイ・フィール・プリティ』の世界観にぴったり。バッシングではなくこうやって世の女性たちの背中をポジティブに押してくれる、お茶目かつキュートなメッセージの伝え方こそが、本来あるべき美のダイバーシティ・ムーヴメントの形。みんな違って、みんないい!

 
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