富士山のふもと・御殿場で、1泊2日の週末田舎暮らし体験。都心に住む人からすると、その近さから「御殿場で田舎暮らしができるの?」と思われるかもしれませんね。けれど実際は、豊かな自然と盛んな農業のおかげで、想像以上にのんびり、静かで贅沢な時間を過ごせるんです。この後半では、農家民泊で楽しみたいおすすめの体験プログラムやグルメスポットをご紹介します!
 

1.間近に見える富士山に感動!いたるところに絶景スポットが!

 

ふとした景色から遠くに小さな富士山を見つけると、それだけでつい嬉しくなってしまいますよね。日本人にとって特別な存在の富士山ですが、御殿場はそのまさにお膝元。思わず見とれてしまう迫力の美しさを、町のいたるところから楽しむことができます。
そして上の写真で手前に写っているのは、休耕期の田んぼを利用して作られる「水かけ菜」。このような葉野菜を真冬に栽培できるのも、水温が一定で冬も凍らず、積もった雪を溶かしてくれる湧き水のおかげなのだとか。雪の白と空の青、緑のコントラストが鮮やかな、水の郷・御殿場ならではの冬の風景です。

都心から2時間でこの絶景! 御殿場は近さも魅力

電車・バス:東京駅―(東海道新幹線こだまで約60分)―三島駅―(富士急行路線バスで約50分)―御殿場駅。
高速バス:東京駅/新宿駅―(JRバス/小田急箱根高速バスで約1時間40分)―御殿場I.C ※「御殿場プレミアム・アウトレット」行き直通バスも利用可能。
車の場合:東京I.C―(東名高速道で約60分)―御殿場I.C

 

2.自分で作って味わえる多彩な体験プログラム


御殿場は、お米やお茶をはじめとする農業がとっても盛ん。「農家民泊」ではそれらの農産物を使ったさまざまなオプションプログラムが用意されています。身近な食べものができるまでの作業工程は、子どもはもちろん、大人にとってもかなり新鮮。今回はその中から、お茶もみ&マーマレード作りを体験してきました!

・お茶もみ体験

お茶どころ・静岡のなかでも、御殿場は400年もの歴史をもつ名産地。生産量こそ多くないものの、その分、良質で味のいいお茶がとれるそうです。今回お邪魔した勝又製茶さんは創業100年を超える老舗で、あの「星野リゾート」で提供しているオリジナル茶なども手がけているんだとか。知る人ぞ知る名店発見?! お茶もみ体験はもちろん、直売店もあるので、お土産探しもおすすめです!
・お茶もみ体験1人2000円(2時間~)

見学させていただいたオーガニック栽培の茶畑。案内してくれた勝又さん、先端の葉を摘んでそのままパクリ! 完全無農薬なので、生で食べても大丈夫なのだとか。あたたかい時期はこちらでお茶摘み体験もできます。
遠火をあてた和紙の上で行う、昔ながらの「お茶もみ」。勝又さんのお手本と説明はとてもわかりやすいのですが、やってみると想像以上に難しい! 思うように手が動かず「あ、あれ?」と焦りまくる柳田。


・柚子マーマレード作り

柚子マーマレード作りは、農家民泊「ねこふくろう」の土屋さんに教えていただきました。使う実は土屋さん宅の柚子の木からとれたもの、もちろん無農薬です。作り始めから柚子のいい香り、土屋さんとの他愛ないおしゃべりにもほっこり。ちなみに柚子が旬の12月に「ねこふくろう」に宿泊すると、柚子風呂も楽しめるそうですよ!
・柚子マーマレード作り1人500円(1時間~)

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果肉は絞って種を取り除き、皮はできるだけ薄くスライス。これがなかなかの作業量で、作り方は簡単ですが、“頑張った感”もしっかり味わえます。20代の筋力で貢献する男子柳田、今回の取材で一番活躍した場面は実はここかも? 出来上がったジャムは瓶に詰めてもらいお土産に。東京に帰ってからも楽しみが続きます。

柳田コメント

お茶もみ体験では、伝統的な技法の、茶道にも通じる美しさにほれぼれ。ぜひマスターしたかったのですが……いいところを見せられず無念です。ジャムは今まで買ったことしかなかったけれど、こんなに簡単にできるんですね! みんなで一緒に作れるので、お子さんも喜びそう!

 



3. 訪れるたびに違う楽しみが。四季折々の旬を味わう 


御殿場は農業のほかに豚や鶏などの畜産も盛んで、それぞれにブランド品種があるほど。それを知ったら食べずに帰るわけにはいかない!と、ランチは農家民泊で教えてもらった、地元で人気のお店へ。御殿場の豊かな食を堪能できるのはもちろん、思わず「東京ではこうはいかない……」と思ってしまう圧倒的なコスパに、人気も納得。農家民泊の際にはもちろん、御殿場周辺に立ち寄る際はぜひ予定に追加してほしいお店です!

・農 Minori

肉や野菜はもちろん醤油などの調味料にいたるまで、地元産の素材にとことんこだわった和食処。夜は御殿場産の「すそのポーク」を使ったしゃぶしゃぶ、湧き水で育てた「金太郎鱒」のお造りなども。
2000円のランチは、野菜のせいろ蒸しに天ぷら、お造りなど全11品。かご盛りの華やかさに感激、男性も大満足のボリュームです。そして野菜の味の濃さ、甘みにも驚くこと必至。ランチはほかに1200円のものも。


・くいしんぼ五味

地元で人気のイタリアンレストラン。自家菜園の野菜など、厳選素材を使った創作性の高い料理で、味だけでなく見た目でも楽しませてくれます。ランチはほかに「5種類の野菜プレート」1500円も人気。
全5品2000円のコースから、おとなり駿東郡で養殖されているニジマスは香ばしいムニエルに、弾力と甘みが特徴の地元産「御殿どり」はスパイシーなタンドリー風で。メインに肉と魚、両方いただけるのも嬉しい!

 


4. 昔ながらのものづくりを体験 


茅の生産量日本一の御殿場。そもそも茅とは茅葺き屋根の材料となるイネ科の植物の総称で、御殿場ではススキのこと。市内の東富士演習場は日本有数のススキの自生地で、冬の収穫期に手作業で刈り取られ、おもに寺社仏閣の茅葺き屋根に利用されているのだとか。地元の有志で運営する「かやの里」では、古くから受け継がれてきた茅を使った道具作りや、ススキ草原の散策ツアーを楽しめます。
・茅のミニほうき作り1人800円(1.5時間~)
・ススキ草原散策1人800円~(1.5時間)

今回はミニほうき作りに挑戦。作り方自体は簡単ですが、お手本と比べると当然ながら完成度に大きな差が。柳田、見映えにこだわって没頭するあまり、撮影担当に「顔が怖い(笑)」と突っ込まれる場面も。
冬は、雪化粧した富士山と黄金色のススキの美しい共演が。さらに、野生のシカやウサギに遭遇することもあるとか!(通常は自衛隊による演習が行われているため、許可なしの入場は禁止されています)

柳田コメント

無心になれる感じの楽しさで、写真を撮られていることも忘れて没頭してしまいました。茅の束を少しずつ縛っていくのですが、一度締めれば緩まない結び方などはまさに“昔ながらの生活の知恵”。初めての体験って、学びが入るとこんなに面白くなるんですね!ほうき以外にリースなどの飾りもあって、いろいろ挑戦してみたくなりますよ。




5. 土に触れる楽しさを知る


気候と水に恵まれた御殿場では年間を通してさまざまな作物が栽培されており、雪に覆われる真冬以外はいつでも、その時期の作物で実際の農作業を体験できます。今回は「松の葉」さんの自家菜園(といってもその広さは何と1000ha!)で、大根や白菜などの収穫を体験させていただきました! そして獲れた野菜は持てる限りお土産に。自分で収穫したというだけで、その味までなんだか特別に思えてくるから不思議です。

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ブロッコリー収穫に挑戦する柳田、初めて使う鎌を手にやっぱり腰が引け気味。一つ収穫するたびに「おお~」「獲れたー」と感動しているその横で、「松の葉」の高橋さんはネギ、白菜、キャベツとどんどん収穫していく。その速さにびっくり! 「松の葉」さんでは農家民泊で訪れた人にさまざまな収穫を楽しんでもらえるよう、さらにクリやイチジクといった果樹も育てているところなのだとか!

柳田コメント

スーパーでしか見たことのなかった野菜を前に、農家さんってすごい!と、改めて。農業体験と聞いて最初は「お子さんのいる人は食育にいいな」と思ったのですが、実際は大人の僕でも勉強になったし、本当に楽しかったです。そして何より、畑ってなんだか気持ちがいい! 土に触れる楽しさを教わりました。

 

今回紹介したのは・・・

【お茶もみ体験】勝又製茶
御殿場市駒門469 tel. 0550-87-0567

【柚子マーマレード作り】農家民泊「ねこふくろう」
御殿場市二子339 tel. 0550-87-0783

【ランチにおすすめ①】農 Minori
御殿場市川島田136-1 tel. 0550-78-7922

【ランチにおすすめ②】くいしんぼ五味
御殿場市萩原992-577 tel. 0550-80-5353

【かやほうき作り】かやの里
御殿場市板妻465 tel. 0550-89-3510

【野菜収穫体験】農家民泊「松の葉」
御殿場市二子284-3 tel. 0550-87-0786

今回取材して分かったのは、御殿場が知られざる“食の宝庫”であるということ。そして、都心ではなかなか触れることのできない体験の数々。幼いころおばあちゃんの家に遊びに行った日を思い出すような、農家のみなさんとのあたたかい交流にも癒やされました。大人も子どもも心からリラックスできる“週末田舎暮らし”、みなさんも旅の選択肢の一つにぜひ加えてみては。
 

「ごてんば農家民宿村」公式サイトはこちら>>

お問い合わせ先/「ごてんば農家民宿村」

構成/柳田啓輔
取材・文/山崎 恵