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ダブルのセットアップなら優美なジャケットスタイルに【美智子さまスタイルに学ぶ】

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昭和43年10月に、学習院初等科の運動会へ向かわれた美智子さま。淡いベージュのセットアップを黒小物で引き締め、凛とした表情に仕上げられて。

新天皇の即位と改元という記念すべきタイミングを目前に控え、年明けから若かりし頃の美智子さまを振り返る連載「毎日、美智子さま」を掲載してきた「ミモレ」。

講談社写真資料室に眠っていた3万点超の写真の中から厳選されたカットの数々に、「美智子さまの品位、お美しさ、聡明さ、お優しさ、お強さ、ファッション、すべてが日本女性のお手本です」「品が良くお美しく、たおやかでおありになりながら、知的でもあらせられて、なんと素敵なお方なんでしょう」などと、たくさんの読者からコメントが寄せられています。

美智子さまの日本女性らしい美しさと品格に溢れる装いは、カジュアル全盛のいまこの時代にこそ私たちがお手本にしたいものなのかもしれません。

そこで、エレガントなファッションに造詣の深いスタイリストの河井真奈さんとともに、美智子さまの若き日のスタイルをチェック。そのエッセンスを現代の着こなしに取り入れる秘訣を探ります。

ベージュのロングジャケットとスカートをお召しになられて。昭和40年1月、東京・高島屋で絵画展をご鑑賞中のひととき。
昭和40年1月、皇太子さまとお二人で小田原へ。たまご色のセットアップに白い小物を添えられた着こなしがエレガント。
美智子さまの優しい笑顔を際立たせる、ソフトなカラーのジャケット。胸元とお耳には定番のパールジュエリーを添えられて、品格のある装いに。

美智子さまが公の場に出られる際にお召しになることが多いのが、ダブルのセットアップ。なかでも淡いベージュやクリーム色といった、上品で優しいお色みを選ばれているのが特徴です。皇太子さまはもちろん、ほかの宮さま方やお客様の装いの雰囲気を損なわないように。また、常にお会いになるお相手が喜ばれるように、ということを最優先に考えられる美智子さまらしいセレクトだといえるでしょう。首元から肌がのぞくデザインのジャケットを着られる際には、パールのネックレスをお着けになられ、よりエレガントで優美な印象に仕上げられています。
 

STYLE01 優しいオフホワイト色をネイビーで引き締めて

七分袖のジャケットは、肩の切り替えがなく楽な着心地も魅力です。ウールシルクのダブルジャケット¥210000、同素材のタイトスカート¥100000/ミカコ ナカムラ(ミカコ ナカムラ 南青山サロン) 鹿革と漆を使った日本の印傳と英国王室御用達のアスプレイがコラボレーションしたバッグ「ベルミニ」¥676000/アスプレイ(アスプレイ サンモトヤマ 銀座本店) ネイビーの靴(H9) ¥115000/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパンファッション事業本部) ライトグレーの手袋¥12000/和光

スタイリスト河井真奈さんのコメント

美智子さまが着られているジャケットというと、時代の流行もあってかほぼダブルの合わせのものですが、シングルタイプに比べてより女性らしさが際立っている印象です。それも明るいトーンのものが主体になっているのは、ダークスーツの多いご公務先での場の雰囲気を和らげ、また華やかさを添えられるようにという美智子さまのご配慮の表れ。そんな美智子さまスタイルをお手本にしたセットアップをこの時代に選ぶなら、マント風シルエットのジャケットが目を引く一着で、今の気分を表現してみてはいかがでしょうか。肌なじみのいい優しいオフホワイト色が顔を明るく、かつ上品に演出してくれます。黒の代わりにネイビーの小物で装いを引き締めるのも、モダンで新鮮な装いを生む秘訣に。

 

STYLE02 全身のネイビーには白で軽快なムードを添えて

セットアップは、オットマンという横うねの織りが目立つ素材によって、黒に近いダークなネイビーが柔らかな印象に。ネイビーのジャケット¥94000、同素材のワンピース¥88000/エンポリオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン) 白のバッグ¥110000、チュールレースの手袋¥16000/和光 黒×PVC素材の靴(H5,5)¥91000/フランチェスコ ルッソ(ブルーベル・ジャパン ファッション事業本部) ネックレス(8㎜)¥610000/ウエダジュエラー(ウエダジュエラー帝国ホテル店)

スタイリスト河井真奈さんのコメント

明るいトーンを上下で着るのに気後れしてしまうという方には、ネイビーのセットアップがおすすめです。とくにこうしたニット素材のものなら、堅苦しい印象になりがちなネイビーに適度な抜け感がプラスされ、ぐっと洗練された雰囲気に。それでいて、上質な素材感や構築的なシルエット、くるみボタンがフォーマルにも相応しいクラス感を薫らせてくれます。美智子さまのスタイルを参考に、足元にはお洋服と同系色のパンプスを合わせると、全身がすっきりと見えてスタイルアップも実現。そのぶん手袋とバッグで白を利かせることで、全身のダークトーンを軽快に仕上げましょう。

Column
英国王室御用達ブランド
「アスプレイ」の底力

日本の「印傳屋」とのコラボレーションバッグは、年に数枚しか入手できない最高品質の鹿革に漆を装飾し、ブランドのアイコニックな模様を表現した究極の逸品。ネイビーの印傳バッグ「ベルミニ」¥676000/アスプレイ(アスプレイ サンモトヤマ 銀座本店)

装いの格を左右するといっても過言ではないほど、着こなしの大事なアクセントになるのがバッグ。とくに美智子さまがお持ちになっているもののようにシンプルなハンドバッグこそ、上質な素材や作りの確かさが決め手に。そこで選びたいのは1781年に創業したイギリス王室御用達ブランド、アスプレイの一品。流行を問わない小ぶりでクラシカルなフォルムやこだわり抜かれたマテリアルが、装いにロイヤルなオーラをプラスしてくれます。


久々に新鮮なダブルのジャケットとスカートのセットアップ。美智子さまのように正統派の白系やネイビーの一着を選んで、女性らしくエレガントな装いを楽しまれてみてはいかがでしょうか。

 

日めくり31日カレンダー
『永遠に伝えたい美智子さまのお心』

価格 1400円(税抜)
3月7日発売


ミモレでも好評を頂いている連載、「毎日、美智子さま」。
さらにミモレ編集部から、美智子さまの若かりし頃の秘蔵写真と、
日本女性としていつまでも心に留めておきたいお言葉の数々をまとめたカレンダーが発売中。
毎日、毎年使い続けることのできる日めくりタイプ。
お部屋に、机の上に、いつもそばに美智子さまのお心を留めておくことができます。
ご両親や祖父母へのプレゼントにも最適です。

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撮影/西原秀岳(静物)スタイリング/河井真奈
取材・文/河野真理子 構成/川良咲子

【協力店リスト】
アスプレイ サンモトヤマ 銀座本店 tel. 03-3573-0005
ウエダジュエラー帝国ホテル店 tel. 03-3503-2587
ジョルジオ アルマーニ ジャパンtel.03-6274-7070

ブルーベル・ジャパン ファッション事業本部 tel. 03-5413-1050
ミカコ ナカムラ 南青山サロン tel. 03-6427-2435
和光 tel. 03-3562-2111