人を引きつけるメールのマナー


さて、今やビジネスの中心となったメールですが、まだまだマナーが確立されているわけではありません。しかし、難しく考える必要はなく、相手にとって読みやすく間違えが起こりにくいようにすれば大丈夫です。

POINT1) 件名はわかりやすく

まず相手の目に飛び込むのは「件名」です。
たくさん届くメールの中でも、「開きたい!」と思わせるタイトルをつけたいものです。例えば「お疲れ様です」「相談です」では、ぼんやりとしていてとくに「開きたい!」とは思いませんよね。また、あとで見返すことを考えて件名をつけると、相手にとっても自分にとっても便利です。

[開きたくなる件名のポイント]
・【】などを利用し、用件を明確にする。
・送信者名を入れる。

よい例
【お誘い】Aチームお花見の開催(B社●●)
【要確認】5/11会議室変更のお知らせ(総務●●)

△の例
打合せについて/明日の件です/〇〇です

 


POINT2) デジタルなやりとりだからこそ季節のひと言を

また、手紙とメールでもっとも大きく違うのは、時候の挨拶です。
入社時にせっかく覚えた「○○の候、○○様におかれましては……」というような形式張った挨拶は、メールでは不要とされています。

ただ、メールの中に、ちょっとだけビジネスとは関係ない季節の挨拶や、共通の話題が潜んでいると1通のメールが楽しいものに。相手との距離もぐっと縮まります。デジタルなやりとりだからこそ、試してみてほしいコミュニケーション術です。


・新緑が眩しいほどですね!
・大型連休の予定は決まりましたでしょうか。
・いつもお早いですね。私も朝の空気が気持ちがよく、早めに出社しました。

POINT3) メールの体裁にも気を配る

画面いっぱいに広がる、文字文字文字……。改行なく、伝えたいことをぎっしり書いてくるのは、40、50代以上に多いと聞きます。これは、熱意こそ伝わるものの、読むほうの気持ちを考えていません。適度な空間をあけ、読みやすい体裁を心がけるのもマナーです。

[読みやすいメールの流れ]
① 宛先…相手の社名・名前
② 挨拶…「お世話になっております」+ちょっとした挨拶
③ 名乗り…「B社の△△です」と、誰からのメールなのかを明確にする
④ 本文…「さて」「今回メールしたのは」など「ここから本文」とわかると◎
⑤ 締め…結論。相手が次のアクションに悩まないよう、締切やしてほしいことを明らかにする
⑥ 署名…自動で必ずつけること。相手が書面や宅配便を送ったり、電話をかけるときに便利

[読みやすいメールの体裁]
・1行は35文字程度
・長さは一般的なメールで、ひと目(1スクロール)で最後の署名まで見えるくらいがベスト
・挨拶と本文の間などは、1行あけるとパッと見たときにわかりやすい


POINT4) いいなと思ったら取り入れる

最初にも書いたように、メールのマナーは確立されているわけではありません。マナーというのは時代によって変わるもので、そのスピードは早まっています。

私がおすすめするのは部分的な「パクり」、いいお手本を真似することです。
受け取ったメールを見て「この言い回し素敵だな」とか「この書き方、わかりやすい」「安心できる」と思ったら、即、取り入れてみましょう。
どんな新しいツール、方法が生まれたとしても、基本は広い視野を持ち、相手のことを思いやることです。そうしてマナーは日々、更新・進化していくのだと思います。

 

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講談社刊 1200円(税別)

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