物事を整理し、筋道立てて説明する能力は、実はプログラミングやシステム関係のスキルに直結します。頭の中がスパゲティのように混乱した状態では、どれだけプログラミング言語を知っていても、ITシステムを使いこなすことはできません。逆説的ですが、国語の能力さえしっかりしていれば、そして状況を整理するスキルがあれば、ITなど何も怖くないのです。

とはいえ、実際にコンピュータに触ってプログラミングを試してみることで、論理性や抽象思考が身に付くという側面があることも否定できません。その意味では、早い段階からパソコンに触れさせておくというのはひとつの方法だと思います。

 

ここで重要なのは、触れる機会を増やすべきなのはスマホではなくパソコン(もしくはタブレット)だという点でしょう。スマホはあくまでコミュニケーションに重点を置いた特殊なコンピュータであり、本当にITスキルを身につけようとする場合、スマホだけでは不十分というのは多くの識者に共通した意見だと思います。

実は日本の家庭におけるパソコン普及率は、先進諸外国と比較して突出して低いという現実があります。諸外国では他人とのコミュニケーションはスマホで行い、知的活動はパソコンで行うというのが標準的です。ところが日本ではスマホの普及率は諸外国並みですが、パソコンを持っていない子どもが多く、これが日本人のITスキルの遅れにつながっていると指摘されています。

パソコンさえ与えておけば、プログラミングに興味を持つ子どもは、親が何も言わなくても勝手に取り組んでいくはずです。そこまでの興味はなくても、日常的にパソコンに接していれば、ITに関する基本的な素養を身に付ける助けになるのは間違いありません。少し高い買い物ですが、パソコンの購入はムダにはならないと思って良いでしょう。

 
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