チエさん
あと、ジャパンネット銀行には、すごく珍しいと思うんですが、「カードレスVisaデビット」という、バーチャルカードがあるんです。

西山
JNBカードレスVisaデビットですね。実際に使っている方にお会いしたのは初めてかも! カード番号を気軽に変更できるという……。

 

チエさん
そうそう! Amazonや楽天、Yahoo!!ショッピングなどの大手サイトは安心だと私は思いますが、よく知らないサイトはクレジットカード番号の流出が怖い。このカードレスVisaデビットは、4種類のカード番号がもらえて、その番号はいつでも変更できるから安心です。

西山
万一カード番号が流出したら、公共料金やスマホなど、そのカードで支払っているすべてのカード会社を変えるのはあまりにも面倒ですもんね……。

 

チエさん
昔WEBサービスの会社にいたので少し詳しいのですが、WEBショップでは、GMOペイメントゲートウェイなど、大手の決済代行サービスを入れていることが多いです。そういう大手なら安心だけど、どこの決済代行サービスを使っているかは、WEBで買うときはわかりませんから。

私は映画のチケットや、海外のサプリメントをオンラインで買うときに、カードレスVisaデビットを使って、すぐに番号を変更して、万一カード番号の流出があっても被害がないようにしています。

片岡
そんな画期的なサービスが! その支払いでもポイントがつくんですか?

 

チエさん
はい、0.2%だったかな。

西山
安心のことを考えると、クレジットカードで払えばさらに0.8%くらいのポイントがつくとしても、差額は安心料のようなものですよね。

片岡
あの……そもそもの話ですみません! ネット銀行って「つぶれたらどうしよう」と思うのですが、そのあたりは大丈夫なのでしょうか?

 

チエさん
銀行の「中の人」になってわかったことは(笑)、銀行をつくるには、規制がものすごく厳しいということです。金融庁から許可が下りないと営業ができないですから。

最近はフィンテックと呼ばれるサービスがどんどん出てきていますが、営業許可をもらうハードルは、銀行はその中で一番高いのではと思います。資本金は最低でも十億円は必要だし、セキュリティレベルも高いものが求められるし。

西山
銀行なら、万一倒産しても、1000万円の預金とその利息までは守られますものね。

 

チエさん
はい。もし銀行の金庫が空っぽだと、代わりに国が払わなければならないから、国の規制は当然厳しくなりますよね。銀行が破綻するのはゼロとはいえませんが、めったに起こらないのではと感じます。

片岡
そっか、思った以上に安全なんですね。

 

チエさん
少し前にビットコインのサーバーが攻撃されて、何百億円もの流出というニュースがありましたが、銀行ではまずそういうニュースは聞かないですから。

 

西山
万一お金が流出したら大きな問題ですし、システムを止めてはいけないという使命感も、WEBサービスのなかでもネット銀行は大きいでしょうね。

 

チエさん
そうなんですよ。電車や電気・水道と同じように「インフラ」の感覚。お客様が何の問題もなく、当たり前のように使えることを目指すことが、ネット銀行の使命なのだなと、実際に入ってみてわかりました。

西山
私、以前ジャパンネット銀行のセキュリティ勉強会に行ったことがあって、さまざまな業界の関係者2000人くらいの組織があって、セキュリティを守る勉強会を定期的に開いているそうで、驚きました。

 

チエさん
そうそう、どこの銀行もセキュリティは生命線ですから。特にネット銀行はシステムに投資する人員や金額は半端ないと感じます。

西山
それでも「ネット銀行が怖い……」という方は、貯金用、決済用と、いくつか口座を持てば安心ですね。

片岡
なるほど、分散すればいいと!

 

チエさん
ちなみに私は、住信SBIネット銀行の口座も持っています。他の銀行への振込手数料が無料(上限あり)なので、家賃の振込みをするときに使っていて。毎月決まった日に、家賃を振り込めるように設定しています。

西山
銀行をうまく使い分けているんですね! ちなみに、他の銀行への振込手数料が無料になるのは、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、新生銀行など(利用状況により回数の上限等あり)がありますね。

片岡
私もネット銀行始めようかな。

 

チエさん
ネット銀行なら、外貨預金や海外旅行でも便利ですよ。

 


――次回は、チエさんに外貨預金や海外旅行でのネット銀行活用法をお聞きしていきます。後編(6月3日アップ予定)をお楽しみに!

文/西山美紀
撮影・構成/片岡千晶(編集部)
 
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