72歳、美しいグレイヘアに赤い口紅がトレードマークの気品溢れるマダム・チェリーは、芦屋の居心地のいいカフェのオーナー。ある日はパリッとした白シャツにデニム、ある日はシンプルなワンピースにウエスタンブーツ。毎日楽しくおしゃれしてエレガントに働くマダム・チェリーに憧れて、お店に通うお客様もたくさん! 70歳を過ぎてからブランドのミューズとして請われ、モデルとしてカタログやファッションショーにも出演しています。

暮らしもおしゃれもまるごと楽しんでいるマダム・チェリーのOVER70スタイルから、人生の後半に輝くためのヒントをもらっちゃいましょう。今回は、チェリー流メイクの定番、赤い口紅のお話です。
 

赤い口紅は、元気と華やぎの特効薬

白シャツは、私にとって永遠の定番。アクセサリーをちりばめて、仕上げに真っ赤なリップをひく。70代の今、いちばん私らしい白シャツの着こなしだと思います。

カフェで仕事をする日もお出かけするときも、最近口紅はほぼ赤と決めています。少し前までは、服の色や気分に合わせて色を変えていたのだけれど、ベージュなんかを塗っていると、娘に「元気がない。具合でも悪いの?」と言われる始末。この年齢になると、何より元気に見せることは大切ね。たかが口紅と侮るなかれ。赤は、元気のための最高の特効薬です。メイクの最後にひと塗り、をどうぞお忘れなく。

それに何といっても華やかでしょう。赤が加わるだけで、くすんだ肌にもぱーっと華やぎが生まれます。赤口紅は、ひと粒のダイヤモンドにも勝るすばらしいアクセサリーだと思います。

たとえ時間がなくても、眉を整えて赤い口紅を塗るだけで、ちゃんと「メイクした印象」をつくることもできますしね。簡単でしょう。もし無人島に持っていくとしたら、私は断然赤い口紅。あ、アイブロウも忘れちゃダメね。

 


マダムのリップはテカテカ禁止!

<from Instagram>赤はリップだけでなく、私のおしゃれに欠かすことのできない色です。こんな風に、柄や小物で全身にちりばめて着ることも。バリで買ったスカートにZARAの真っ赤なサンダルを合わせて。


赤口紅は数えきれないくらい持っています。値段は関係ありません。色味の違う赤をたくさん揃えて、その都度2~3色をミックスして使います。たとえば、鮮やかな赤を全体に塗って、少し深めの赤で輪郭をとる、といった具合にね。ちょっとしたさじ加減で仕上がりはぐんと変わるもの。お料理と同じです。

口紅の質感は、あくまでもマットに。グロスで仕上げたツヤツヤの唇は、若い方には似合うと思うけれど、年齢を重ねた肌には正直厳しいのではないかしら。

もうひとつ。紅筆を使っていらっしゃいますか? 紅筆で輪郭をとることは、とても大事。少しだけ大きめにふっくらと、がお約束です。

私は、朝、口紅を塗ったら1日中そのまま。お直しは必要ありません。
一度きちんと塗ってしまえば、案外もつものですよ。
 

6月10日(月)公開の第2回では、チェリー流カラーonカラーの着こなしを教えてもらいます。お楽しみに。

 

『マダム・チェリーの「人生が楽しくなるおしゃれ」』
マダム・チェリー 著 講談社刊 定価1500円(税抜)


「老化は進化よ!」 70代でモデルになり、そのおしゃれも評判のマダム・チェリーが、毎日の着こなしをたっぷりと紹介! 年を重ねた今だからこそ似合う服やコーディネート、グレイヘアの育て方やアレンジ術など、人生後半のおしゃれを楽しむコツが満載です。

撮影/野口貴司(San・Drago)
インタビュー文/河合映江
構成/生活文化チーム
撮影協力/神戸メリケンパークオリエンタルホテル