世の中は、成功できる人とそうでない人にくっきり分かれてしまいます。能力的には大きな違いがないにもかかわらず、成果に差が付いてしまうのはなぜでしょうか。あまり語られていませんが、筆者は、過度な承認欲求が成功の邪魔をしていると考えています。

日本人は控えめで自己主張が苦手であるとよく言われますが、筆者はそうは思いません。もし日本人が本当に控えめなのであれば、過度な承認欲求を持つ人も少ないはずですが、現実はその反対です。

日本人が積極的に自己主張しないのは、性格が控えめなのではなく、周囲から叩かれるのを防ぐためです。では、なぜ自己主張する人や、目立っている人は周囲から叩かれるのでしょうか。それは、各人の承認欲求が強すぎるため、他人が注目を集めるのが許せないからです。つまり日本社会の同調圧力の強さや妬みの感情というのは、実は、激しい自己承認欲求の反動と考えるべきでしょう。

皆が何も意見を言わず、押し黙っていれば、自身の承認欲求を満たすことはできませんが、他人が賞賛されるという場面を見なくても済みます。少々歪んだ形ですが、これが同調圧力の正体です。

ネットのコメント欄のように、面と向かって自身をさらけ出す必要がない場では、多くの日本人が凄まじいまでの自己主張を繰り広げています。ネットのコメント欄が荒れた内容になることは諸外国でもありますが、口汚く他人を罵っている人の割合は日本人の方が圧倒的に高いという印象を受けます。実際には多くの人が、激しい承認欲求を抱えていると判断して良いでしょう。

筆者は、承認欲求自体は悪いものだとは思っていません。かくいう筆者にも、当然ですが、他人から評価されたいという欲求があります。他人から評価されたいという欲求をバネに努力を重ね、それを成果の原動力とするのは決して悪いことではないでしょう。しかしながら、承認欲求が強すぎ、周囲に同調を強要するようになってしまってはやはり問題です。

 
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