ランチで一息つきつつ、この行三昧のハイライトとも言える山王社参を行うため、日吉大社へ。昔、行われていた行を特別に復活させたとのこと。

禰宜さまと23の社を真言を唱えながら、参拝。所要時間は約3時間。そのうち60〜90分は八王子山への登拝、そして下山するため、ほぼトレッキング状態となります(高尾山に登るくらいのイメージでしょうか。ではあるのですが、坂道の傾斜が急なのでなかなかにハードです)。

  • 禰宜さまに、それぞれの社の説明を受けながら。日吉大社に、いかに神様が集まっているか、そして、そのストーリーも聞けて、よりテンションが高まる。
  • 八王子山頂方向を「今日の最終的ゴールです」と指さされた時は、正直「冗談ですよね」と(苦笑)。真夏の陽気から、途中、雨予報にもなり……。まさに修行日和!
  • 途中から、3人の真言や拍手、お辞儀の息が合ってくる不思議。集中すればするほど、マインドフルネスへと誘われ……集中することで味わえる静寂さは偉大!


山の麓にある社をまわったら、いよいよ山道へ!!

バスケ部時代の私よ、何処へ。悲しいかな、息が上がって、言葉数が激減……。今回、同行してもらった後厄の山崎(仏教美術好き。趣味は神社仏閣めぐり)は苦笑するばかり。

  • 歩く、歩く。
  • 登る、登る。
  • で、バテる(苦笑)。


山頂にある2つの社(普段は非公開)での参拝を終え、最後は、社殿と社殿の間にある注連縄が施された大きな磐座の前で最後の参拝。終わってみれば、あまりの清々しさに感無量(翌日の筋肉痛には苦笑い)! 以前にも、宿坊に泊まって座禅を組んだり、読経したり、写経をしたりしていた経験は幾度かあるのですが、今回の「行三昧」は私史上もっとも本格的な修行体験でありました。

最後は禰宜さまと「おめでとうございます」のかけ声とともに一本締め。「行を終え、見事に生まれ変わりましたね。おめでとうございます」という意味がこめらえているそう。思わず「ありがとうございます」と返答。素直に、この天の邪鬼な私が「生まれ変わったかもしれない!」という感覚を味わえてビックリ!
最後に金大巌(こがねのおおいわ)の前で。
眼下には坂本の町、そして、琵琶湖が一望。


延暦寺の朝の勤行の際、(要約すると)「“私は変わった!”と思うことがあるかもしれません。でも、それは本来あなたの中にあるものが顔を出しただけ、と考えることができるでしょう。私たちは、日々、たくさんの埃をかぶり続けながら生きているようなものです。日々、意識的にはらうことを心がけましょう」と説法していただきました。

会社で、家庭で、社会の中で……私たちは、本当にたくさんの役割をまっとうすべく懸命に生きています。そして、それに伴う、しがらみや責任、プレッシャーを知らず知らずのうちに背負い込みます。はたまた、悲しみや怒り、妬みなどの負の感情も気を許せばどんどん堆積していきます。

本当の自分はどこ?

他人や役割にばかり気をとられ埃がつもり、時に自分を見失い、道に迷いそうになることばかり。けれど、たった一回大きく深呼吸をするだけで、自分の足元がしっかり地面につくことを体感することはできるのです。

今ここにある自分に感謝をし、目を軽くつぶって息を細く長く吐く。

行三昧を終えた、あの一本締めをした瞬間に抱いた清々しく、そして何より強い気持ちを忘れずに。新天地でも、新たなる壁が立ちはだかろうとも、変化をこわがらず、私らしく自由に楽しい日々を謳歌していきたいと思います。


お後がよろしいようで!



「比叡山厄祓い三昧」
料金:98000円〜(2名1室利用時一名あたり。税・サービス料別)
※含まれるもの。2泊4食(精進フレンチ、発酵フレンチ、朝食)、無動寺での護摩行、日吉大社の山王社参、延暦寺の朝の勤行、浄化アメニティ、日枝の霊水を使ったスパトリートメント。

予約:星野リゾート ロテルド比叡

 

今日のお品書き
第一部が完結した大河ドラマ「いだてん」の記事が公開されました。宮藤官九郎さんが作品にのせたメッセージを木俣さんがとても熱くまとめてくださいました。宮藤さんが描いた「馬鹿」になれる尊さ。今、この時代にとても必要なことだと思っています。

さて、泣いても、笑っても、いよいよ明日がツレヅレ・ファイナル! そして、最後の「今日のコーデ」登板もございます。たくさんの方にお越しいただければ嬉しいです。

 
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