住宅ローン減税の拡充案を活用


すまい給付金と並んでうまく活用したいのが、住宅ローン減税です。

現行の住宅ローン減税の内容は、21年12月31日までに物件を取得し居住した場合、年末のローン残高の1%(上限40万円)が10年間、所得税や住民税から控除されるというものです。

この住宅ローン減税ですが、消費税増税の緩和策として、現在拡充案が出ています。

拡充案では、消費税10%で物件を取得した場合、20年末までに取得・居住すれば、「建物価格の2%」か、「10年目までと同様に年末ローン残高の1%」、どちらか金額が小さい方を3年間、さらに控除される内容になっています。

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こちらも、モデルケースとして、3000万円のマンション(建物2000万円、土地1000万円)を、全額住宅ローン(35年元利均等返済・金利1.5%)で購入した場合を考えてみましょう。

購入者の年収が十分に高く、年末ローン残高の全額が所得税から差し引ける場合、現行制度では10年間で約262万円の税額控除を受けることになります。

 

拡充案ではさらに上乗せの控除が受けられますが、次の2パターンのうち、小さい方の金額が減税になります。

1. 年末ローン残高1%を3年延長する場合:
11年目は約22万円、12年目は約21万円、13年目は約21万円が減税されます

2. 建物価格の2%が3年間で控除される場合:
2000万円×2%=40万円
40万円÷3年 ≒ 13.3万円/年 毎年13.3万円が3年間減税されます

いずれの年も建物価格の2%を3分割した金額の方が小さくなるため、最終的には3年間の延長で最大40万円、現行制度より減税を受けられることになります。

土地には元々消費税がかからないため、この控除が全額受けられれば、2%上昇する消費税率分を吸収できる計算になりますね。


贈与の非課税枠で、増税後の購入がお得に?


住宅ローン減税やすまい給付金以外にも、注意しておきたい制度があります。それは、親からの贈与が期待できるケースです。

2020年3月31日までにマイホームを取得した場合、親から住宅取得のために贈与を受けた際に非課税となる限度額が、消費税8%なら700万円、消費税10%なら2,500万円になります(省エネ等住宅の場合、それぞれさらに500万円限度額が引き上がります)。

親から子への資産の移動を検討している家庭の場合、この機会を利用して贈与を行えば、大幅に非課税枠を活用することができます。そのため、消費税10%に増税後の方が、住宅購入が有利なケースも出てくるのです。