「これから」の社会がどうなっていくのか、100年時代を生き抜く私たちは、どう向き合っていくのか。思考の羅針盤ともなる「教養」を、講談社のウェブメディア 現代ビジネスの記事から毎回ピックアップしていきます。

※この記事は、2018年11月15日に「現代ビジネス」にて公開された記事を転載したものです。

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ほったらかしでもなぜか貯まる!』などの著書があるファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、かつて実家暮らしなのに3年間で80万円しか貯金できませんでした。しかし、マンション購入を機に一念発起し、1年で160万円を貯めることに成功。彼女はなぜ、急に「貯められる女」になったのか? 自身で実践して効果が高かった、今すぐできる節約術を3つご紹介します。


なぜ同僚と5倍も貯蓄額が違うのか


はじめまして。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢と申します。

現在はファイナンシャルプランナーとして、お金の専門家として仕事をしている私ですが、20代前半までは、本当にズボラで、極度のマネー音痴でした。今回は、そんな私がお金に対する意識を変えるきっかけになった事件について、お話したいと思います。

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2004年頃のことです。当時、社会人3年目だった私は、まだ親元で暮らしていました。実家暮らしは楽ですが、そろそろ一人前の社会人として自立したい。そんな気持ちもあって、一人暮らしをすることを考えるようになりました。

何といっても社会人3年目ですから、当然最初は賃貸の物件を考えていました。いくつか見ていくうちに良い物件も見つかったのですが、なかなか条件が合わず、入居には至りません。

そんなある日のことでした。ふと、家のポストに目をやると、何かのチラシが入っています。いつもならそうしたポスティングで入っているチラシを捨ててしまう私ですが、そのときは何の気なしに手に取ってみました。

じっくり見てみると、それは新築マンションのチラシでした。社会人3年目の私には、「家を買う」なんて思いもよりません。やっぱりゴミ箱行き……、と思いましたが、何かが気になります。その広告に掲載されていたマンションのローンの月ごとの支払い金額を見てみると、約5万円です。なんと、私が賃貸で探していたお部屋の家賃の価格帯とほぼ同じではありませんか! 賃料と同程度の支払いで自分の物になるなんて、買う方がいい!

そう思った私は、モデルルームに出かけ、高まる気持ちのまま住宅ローンを組んでマンションを購入することに決めました。私が初めて購入した不動産です。

 

マンションを購入したことで、自分の貯蓄の状況や、これから返済を続けていくことなど、お金について関心が高まりました。今まで気にならなかった同世代の貯蓄額も気になり始め、ひとり暮らしの同期に尋ねたところ、400万円も貯めているとのこと……。

ちなみに、私の当時の貯蓄額は実家暮らしにもかかわらず、80万円。収入や働き方はあまり違わないはずなのに、5倍も貯蓄額が違うのかと驚きました。

そこから、私の家計改善が始まりました。

この記事では、私が実践した節約術のうち、効果があり、すぐに試せるものを厳選してお届けします。