年齢とキャリアを重ねた今、進化する演技


仕事もプライベートも経験を重ね、そのキャリアと年齢が演技にも幅を与えたのは間違いない。3度目の舞台の初日が終わった後の記者会見。7年前から観劇しているという現地の記者は興奮気味にこう感想を伝えた。 「今回は米倉さんがカンパニーの一員となっていて、最初からストーリーにのめり込んで観られました」。また、7年前から相手役のヴェルマを演じ、2010 年日本語版から米倉さんが共演しているアムラ=フェイ・ライトも、「涼子はロキシーを涼子にしかない個性を持って表現していました。面白くて、可愛くて、愛くるしい。カンパニーも毎回フレッシュな気持ちで涼子を迎えているし、いい意味で変わっていて、大きく進化しています」。

『CHICAGO』は米倉涼子にとってもはやチャレンジではなく、自身のキャリアを代表する作品になった。 「(日本語版から)10年以上やってきて、明らかに演じることが楽しくなってきました。アムラに『一人を演じられるようになるのに10年かかるの?』と聞いたくらい」。そして演じる環境も変わった。「今回はほとんどのキャストが一度は一緒に演じたことがあるので、温かく迎えてくれました。私はネイティブではないからコミュニケーションが難しく、カンパニーの皆さんに気を遣ってもらっているのが申し訳ないのですが……。『一緒に楽しもう』という気持ちが伝わってくるから、それに乗っかって私も楽しもうと思っています」。

 

3回目のオファーは、米倉自身「ずっと『CHICAGO』に関わっていたいという思いで受けた」という。好きで好きで手に入れたものを手放すまいとする情熱と、それにふさわしい自分であるためのたゆまない向上心。米倉涼子が演技者として第一線にい続ける理由がそこにある。

※この記事はFRaU 2019年9月号から抜粋したものです
撮影/MASAHIRO NOGUCHI, AKIRA YAMADA
構成・取材・文/片岡千晶

 

 

 

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