【デリケートゾーンのケアの常識】40代からは膣ケアがトラブル解消に
ミモレ世代が取り入れたいデリケートゾーンのケアについて、東京・銀座にある「なおえビューティクリニック」の喜田直江先生にお話を伺う4回連載。第3回目は、40代後半ごろから衰えが急速に進む膣内のケアに着目。「膣トレ」と「膣萎縮の予防法」をご紹介します。
名前はよく聞く「膣トレ」。
その目的と効果とは?
“セックスの感度を上げるために”といった取り上げられ方をされることも多い「膣トレ」。でも本来、膣トレは膣のゆるみを解消するためのエクササイズ。膣のゆるみは、セックスに限らず、女性のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に大きな影響を及ぼす様々なトラブルに繋がっているそうです。
「そもそも、骨盤の中には子宮や膀胱、直腸といった内臓をハンモック状に支えている様々な筋肉があり、その集合体を骨盤底筋と呼びます。
骨盤底筋には、膣や尿道、肛門などを締める作用がありますが、妊娠・出産や加齢によってその力が衰えると、膣圧が下がって性交時の感度が落ちたり、尿道を締める力が弱まって尿漏れの原因となったり、肛門がゆるんで便のキレが悪くなったり、ひどい場合には便漏れの症状が出たりすることも。さらに骨盤底筋の衰えをそのまま放置していると、70〜80代になった時に、子宮や膀胱、直腸が膣に降りてくる骨盤臓器脱という病気になることもあるのです。
骨盤底筋の老化は40代頃から始まりますが、そこで筋力をつけるためのトレーニングが、一般的に『膣トレ』と呼ばれるエクササイズ。
方法としては、まず自分でできるものでは、昔ながらのケーゲル体操があります。やり方は簡単で、
① 身体の力を抜いてすとんと立つ。
② 息を吸いながら膣を引き上げるようにキュッと引き締め、息を止めて5秒間キープ。
③ 息を吐きながら身体全体の力を抜いていく。
これを1日5分程度続けることで、1〜2ヶ月後には各症状の改善がみられるでしょう。座りながら、寝ながらでも構いませんので、職場でデスクに座っている間や、就寝前・起床後にベッドの中で行ってもいいかもしれません。
ただ、手軽さがおすすめなケーゲル体操ですが、筋トレなので毎日コツコツ継続することが必須。これが案外難しいんですよね。
確実に効果を出したいのであれば、ペルビックトレーナーというマシンを使った治療法がおすすめです。椅子型マシンのお尻の下から磁気が流れる仕組みで、座っているだけでトレーニングになり痛みなどもありません。週に1度くらいの頻度で通院が必要ですが、5回程通うと効果を感じていただけます。1ヶ月〜1ヶ月半くらいの通院で、尿漏れなどが劇的に改善されます。
膣圧を高めたい場合は、自分で膣に指を入れて意識的に締めてみると効果が確認できると思います。」
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