野本響子さん『日本人は「やめる練習」がたりてない』という本を読みました。タイトルには一切出てきませんが、実はマレーシア移住の顛末と日本を離れて見えてきたことを書かれています。

 

この本はマレーシア社会を網羅的に解説しようとしている本ではないし、インターナショナルスクールに子供を入れられるなど一部の層を切り取った話ではあると思います。でもその一部の世界を経験した等身大の視点が面白かったですし、そこから日本に対して筆者が感じたことについて、私たちは学べるところを学べばいいと思います。

私がこの本を読んで「そうだよな、学びたいな」と思ったところは、いくつかありました。

1つ目は、タイトルの通り、日本人は我慢する練習、理不尽に耐える練習ばかりしているけど、部活や会社を辞めること、失敗することに慣れておいたほうがいいんじゃない?という話。

私が住んでいるシンガポールでも、シンガポールの公立学校に通うシンガポール人はまた異なると思いますが、インターナショナルスクールに行かせる外国人は割と簡単に転園や転校をさせます。また私は仕事でシリコンバレーの起業家についての記事を書いたりすることもあるのですが、彼らのLinkedInなどを見ていると、誰もが様々な経験をしてきていて、1社に何年もいるほうがむしろ稀です。

マレーシア特有かはさておき、海外に出ると日本の「我慢」文化の強さに気づかされるというのはよくわかります。もちろん人生には忍耐が必要な時もあるとは思いますが、いじめやハラスメントなどの人間関係、ブラック部活やブラック企業から逃げ出すための「やめてもいい」観念は子供のころから持ててもいいかもしれません。

 
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