2018年8月、月旅行計画についての会見で。 写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

ファッション通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOが、ヤフーに買収されることになりました。ZOZOの創業社長である前澤友作氏は経営から退きますが、代わりに何と2500億円もの現金を手にすることになります。恋人といわれる剛力彩芽さんもさぞびっくりしたことと思いますが、なぜ前澤氏は2500億円ものお金を一気にゲットできたのでしょうか。今回はそのカラクリについて分かりやすく解説したいと思います。

多くの人は勤め人として給料をもらっていますから、お金というのは働いて稼ぐという感覚が強いと思います。会社の社長も同じで、賃金ではなく役員報酬という名目で毎月、会社から給料を受け取ります。前澤氏はZOZOの社長ですから、当然、役員報酬をもらっており、その金額は年間1億8400万円です(内訳は、基本給が8400万円で、残りの1億円は業績に応じて支払われます)。

ごく普通の人からするとびっくりするような金額かもしれませんが、ZOZOのような巨大企業の経営者ですから、この金額は特別に高いというわけではありません。それに前澤氏は、総工費100億円の豪邸を建設中ですし、アートに100億円以上のお金を投じています。また、宇宙旅行を計画するなど今後は1000億円近い支出を計画しています。年間1億8000万円の給料ではとてもこうした支出をカバーすることはできません(一連の支出は、年収500万円の人にあてはめると、28億円の買い物をしていることと同じになります)。

では、なぜ前澤氏は年収が1億8000万円しかないのに、ポンと100億円単位の買い物ができるのでしょうか。また今回のヤフーとの資本提携で、なぜ2500億円ものお金をもらえてしまうのでしょうか。その秘密を解くカギは、ZOZOは前澤氏自身が設立した会社だという点にあります。

前澤氏はもともとプロのミュージシャンでしたが、音楽活動の傍ら、今のZOZOの前身となる通販ビジネスをスタートさせています。サラリーマンの経験はないそうですから、前澤氏の場合には最初から独立して商売をしていたことになります。多くの人は、サラリーマンを経てから独立するというパターンですが、法律上はともかく、独立したからといってお金の受け取り方が大きく変わるわけではありません。
これまでは自分が勤める会社から給料をもらっていましたが、独立後は顧客となる企業からお金をもらいます。働いた分だけお金をもらうという意味では同じことです。

 
  • 1
  • 2