健康診断で骨密度を測ると、「あれ? 平均より低い」なんてことありませんか? 40代に入って女性ホルモンが減少していくと、骨密度はどうしても下がっていきます。「まだ骨粗鬆症になる年じゃないし」なんて、この低下をほっておくと、年をとってから本当に大変なことになるんです! 
9月27日に『1分ポコポコ骨たたき体操』を上梓した骨と呼吸のスペシャリスト・森千恕先生に、その対策を伺いました。

骨粗鬆症になる人の約77%は女性

 


「骨粗鬆症は、骨の中がスカスカになって強度が落ちてしまう病気です。日本では、骨粗鬆症にかかっている人は約1300万人にものぼり、そのうち約1000万人は女性が占めると言われています。

女性ホルモンには骨の新陳代謝のバランスを保つ働きがありますが、閉経とともに女性ホルモンの分泌量が減るとそのバランスが崩れ、骨形成より骨吸収の速度が上回るため骨密度が低下します。このため女性は閉経後に骨粗鬆症になりやすいのです。

骨粗鬆症になると、ちょっと転んだだけで骨折しやすくなりますが、骨折をして体を動かさないでいると、筋力がどんどん落ちていきます。特に高齢で骨折をすると、それを機に寝たきりになるケースが多く、寿命が縮まる可能性が高まります。
実際、大腿骨近位部骨折をすると1年後の死亡率は男性で3.7倍、女性で2.9倍も上がるというデータがあります。さらに、骨折しなくても骨粗鬆症になるだけで死亡率が2倍になるという報告も。

このように骨がもろくなることは命にも関わるので、今のうちから強く丈夫な骨を作っておくべきなのです」

 
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