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雅子さまに想いを寄せる皇太子さまが選んだ初デートの場所

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皇太子妃の有力候補として雅子さんの名前が浮上


賀陽さんの思い出話は続きます。
「飲み物をいただきながら、学生時代、とくに英米両国の生活スタイルや、ソフトボールと登山といったお互いの趣味であるスポーツなどについて、3時間ほど楽しく語り合いました。
 

ハーバード大学の卒業式。写真/宮内庁提供

はじめのうちこそお二人とも緊張気味でしたが、次第にうちとけ、最後は明るい笑い声が出るほど非常に会話が弾んでおられました。
殿下はまじめな方で、女性に対する接し方もものすごく慎重でしたが、この時はどんどん積極的に話され、はじめて見るその姿勢にびっくりしたことを覚えています。

『才色兼備』という言葉がありますが、小和田さんの場合、存在感というか、相手の気持ちを引きつける魅力があり、ほんとうに素敵な女性でした。経歴からするといかにもエリート然とした女性と思われがちですが、けっしてそんなことはありません。

殿下と同じように常に相手を尊重される方で、殿下の話に耳を傾け、きちんと受け答えしていました。姿勢、マナー、ファッションなどもとても洗練されていて、一言で言えば、感じのいい女性。殿下もそうした魅力に惹かれていったのではないでしょうか。

殿下は目鼻立ちのはっきりした女性が好きなので、小和田さんはまさしくぴったり。それに(結婚するなら)『価値観を同じくするというのが大切。他人の痛みをわかる人であってほしいと思います』と言われていますが、その点でも最適です。
帰路、小和田さんとJR信濃町駅までご一緒させていただきましたが、小和田さんも(浩宮さまに対して)いい印象を持っておられたと思います」

こうして、皇太子妃の有力候補として、小和田雅子さんの名前がはじめて浮かび上がってきたのです。

やがて時は流れ、年が明けます。
昭和63年(1988年)3月、雅子さんは外交官補に任官され、7月1日には在外研修生として英国オックスフォード大学ベーリオールコレッジに2年間の予定で留学してしまいます。

渋谷のレストランで行われた英国留学前の送別会で田園調布雙葉の同窓生と。写真/宮内庁提供(土川純代さん撮影)

そのため、ここで皇太子妃候補の報道は、いったん静まってしまうのでした。
浩宮さまの恋は、いったいどうなってしまうのでしょう。
次の回は、浩宮さまがしたある決断のお話です。
 

 

美智子さまから雅子さまへ 三部作1 美智子さまの想いが雅子さまへ 雅子妃誕生
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外交官だった小和田雅子さんは、皇太子・浩宮さまに見初められて皇室に入ることに。雅子さまの生い立ちやから皇太子の熱い求愛、ご成婚までの軌跡が余すところなく盛り込まれた作品。雅子さまと同じく、平民から皇室に入られた美智子さまのお姿を交えて描きます。

 

 

美智子さまから雅子さまへ 三部作2 美智子さまもご祝福 雅子さまに愛子さま誕生
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涙の流産を乗り越え、愛子さまをご出産された雅子さまの苦悩と喜びのすべてが一冊に。皇室という見知らぬ世界に入り、お子さまを生まなければならない重圧を、雅子さまはどのように乗り越えたのでしょうか。美智子さまから雅子さまに伝える母の想いを織り込みます。

 

 

美智子さまから雅子さまへ 三部作3 美智子さまもお支えに 雅子さまご成婚十年の苦悩
価格 1500円(税抜)


愛子さまをご出産されたのち、適応障害になり長期の療養生活を送られた雅子さま。ご成婚から10年を迎え、病と闘われているご様子に触れた作品です。雅子さまをやさしく包み込む、皇太子浩宮さまと美智子さまの愛に胸打たれます。
 

本文、キャプションは過去の資料をあたり、
敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、
その当時のものを使用しています。
写真/渡邉みどり(クレジットのないもの)
構成/高木香織、片岡千晶(編集部)

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第3回「 雅子さまの小学校時代の作文を公開「ピアノ、スポーツ、生きものがお好きなおてんば少女」 」はこちら>>
第4回「 スポーツ万能の雅子さま「中学時代に熱中したソフトボールとスキー」 」はこちら>>
第5回「ニックネームは「ブレイン(頭脳)」。ハーバード大学で磨きをかける雅子さま」はこちら>>
第6回「雅子さまと美智子さま、二人のプリンセスを育てた名門・雙葉学園の教えとは?」はこちら>>
第7回「雅子さま、40倍の難関試験に一発合格「外交官を目指した理由と憧れの先輩」」はこちら>>
第8回「雅子さまに一目惚れした皇太子さま、3カ月の間に4回の運命の赤い糸」はこちら>>