私が夏ちゃんさんのようなケースでお勧めしているのは、プチ家出です。経済的に許されるなら、近所に部屋を借りるのが一番です。この21年間、夏ちゃんさんには自分一人の時間というものがなかったのではないでしょうか。その時間を得るためにも、家を出ることは良いのです。義母は娘の家にしょっちゅう行かれているとのことですから、「私がいなくても大丈夫じゃん!」と開き直ってください。

とはいえ部屋を借りるというのは、お金もかかりますし、相当な勇気もいります。そこまでの行動をとれない場合に私がお勧めしているのが、「お恨み帳」です。これは、ムカつくこと、我慢ならないことなどを、とにかく心に浮かぶままにダーッと書き出す方法です。夏ちゃんさんの場合、21年分ですから、その恨みつらみはノート20冊分くらいになるのではないでしょうか。この書き出すという行為は非常に有効で、「嫌なものは嫌でいいんだ」という気持ちになれます。

 

おそらく夏ちゃんさんは、義父母を嫌うなんて良くない、と思われているのではないでしょうか? でも「嫌いでもいい」と思えるようになると、嫌いなりの接し方ができるようになります。たとえば職場に嫌いな人がいた場合は、いがみ合うわけではないけれど、必要以上の会話をしない、といった接し方をしますよね? これを“ビジネスライク”と言うわけですが、家族にもビジネスライクな接し方をしてかまわないのです。とくに義母とは血のつながりがないわけですから、ビジネスライクになって当然。そうやって「自分は冷たいのか」と責めるのをやめるだけでも、かなりラクになれるはずです。

 

お恨み帳には、旦那さんのことも書いていいと思います。だって、旦那さんは夏ちゃんさんの相談には乗ってくれないんですよね? 果たしてそのような旦那さんが優しいのか、やや疑問ですから。今の夏ちゃんさんは、気持ちを吐き出す先がないのです。いい人ほど、怒ったり、愚痴を言ったりするのはダメだと思うものですが、吐き出すだけでストレスは相当減ります。詳しい書き方は私のブログで紹介していますので、是非ご覧になってください。

また次男さんのことですが、学校で怒られてばかりいるのは、学校という場が合っていないからかもしれません。日本社会というのは、生徒が学校に合わせる、ということが当たり前になっています。逆はありません。この場合、器用な子や順応性の高い子なら問題ないのですが、そういうことが上手くできない子供もたくさんいます。実を言いますと、私自身も会社という組織に全く合わせられないタイプです。ですから次男の場合も、学校に合わせるよう言うのではなく、「これがこの子のキャラクターなんだ」と受け止め、次男に合った生き方を探してあげてほしいと思います。これは第三回でお答えさせていただいたのと同じ問題なので、よろしければそちらもお読みください。

夏ちゃんさんは自己犠牲が癖になっていますが、知らず知らず、子供にも我慢を強いていませんでしょうか? そういったところを意識して、取るべき行動を考えていけば、自ずと全てが改善に向かっていくのではないかと思います。

連載一覧はこちら↓↓

・「産まなければよかった」子や孫を愛せない苦しみの本当の原因は
・「しつけ」と称して首を絞める真似…DV父親が暴力をやめられないワケ
・子の不登校「何かできることは…」と焦る気持ちをどうすればいい?
・起立性調節障害の子供に優しく接することができず、辛いです【43歳女性】
 

PROFILE
 取材・文/山本奈緒子

 

前回記事「子どもが不登校になった時、最初に親がすべきこと」はこちら>>

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