着物だってファッションとして楽しめる!


仁美さん フォーマルには伝統をふまえて着ることがより美しさに繋がることもあると思いますが、ファッションとして着るときは自由に楽しんでいいと思っています。

はまじ そうなんですね。

仁美さん 私も冬は寒くなると、ブーツを合わせたりメンズ用のブルゾンを羽織ったりしますし、夏は浴衣に男性用の角帯を合わせるなどして快適性とファッション性のどちらも取り入れています。

メンズコートにブーツを合わせ、ファッション性の高い着こなし。パッと見ただけでは着物に見えないほど自由におしゃれを楽しんでいます。

はまじ ファッションとしてなら、43歳で振袖を着てもOKなんですか⁉

 

仁美さん 振袖は未婚女性の第一礼装ですので、既婚者のはまじさんだと着て行かない方がよいシチュエーションがあることは確かです。でも例えばパーティなどでファッションとして着るのなら私はとくに問題はないと思っています。何かの思いが込められた上での振袖だとしたら尚さらのこと。どうぞ自由に楽しんでください。

はまじ なるほど〜!

【おさらい】覚えておくと便利なきものの約束ごと②
 
・帯締めや帯揚げ、草履などは白や淡い色を選んでおくと、いろいろなきものに合わせられる。
・草履は台座が高い方がより格式が高くなる。


体型の変化も優しく包んでくれる、着物は大人になった今だから楽しい!


仁美さん 着物は着るのに時間がかかります。洋服よりも少し長い、そのひとときで、誰に会うのか、どこへ出かけるのかなど今日という日をどう過ごしたいか考えることができます。私はその時間をとても大切にしています。
そして着物は一型しかありませんので、着る方の人柄や教養が着姿にあらわれます。年齢を重ねるほどにどんどん美しくなるんですよ。若い頃と少し変わってしまった体型さえ優しく包んでくれるんです。大人になった今だからこそ、着物の世界を楽しめると思います。

はまじ これから歳を重ねていく上できものという選択肢が増えるのはいいかも! 着物は自分で着られないし知識もないから自然と遠ざけていましたが、仁美さんに話を伺って実際に着てみると、いくつかのルールさえわかっていたらそんなにハードルが高いものではないのかもしれないなと思えました。

仁美さん 昔の日本人は毎日着ていましたからね。


まずは一枚、そろそろいかが? 選ぶポイントはトキメキ!


はまじ まずは最初の一枚、江戸小紋か色無地ですね!

仁美さん とっておきのワンピースを選ぶようにトキメキ感を持って選んでください。そしてわからないことはどんどん詳しい方に聞いてください。雑誌や本で好きなきものや帯、コーディネートを見つけることもよいかと思います。この年齢で知らない世界に出会えるって、実はとても楽しいこと。「知らない、怖い」を一歩踏み出したら、新しい世界が待っていますよ。

はまじ 初めの一歩、ですね。何かお祝いなど晴れの日はいいきっかけになりそうですよね。24時間体制の赤ちゃん時代が終わって少し自分の時間がもてるようになった今のタイミングは絶好のチャンスかも! 旅行だと実行するまでにいろいろハードルがありますが、着物を着てお出かけができたら気軽に非日常の世界にトリップできますね。

仁美さん ミモレの読者の方々にもぜひ楽しんでいただけたらなと思います。はまじさん、次は息子さんの卒園式でしょうか。いつでも相談にのりますよ!

【おさらい】覚えておくと便利なきものの約束ごと③
・江戸小紋や色無地は合わせる帯さえ変えたらいろいろな場所に着て行ける。
・フォーマルな装いは日本の伝統に敬意を払った着こなしを。
・四季の花の柄、吉祥文様は季節を問わず楽しめる。
・どんな場所で誰と会うのかを考えて選ぶ(例:七五三のお祝いは子どもが主役。引き立て役であることを意識する)。
 
 

伊藤 仁美 京都祇園の禅寺に生まれ、和の空間に囲まれて育つ。2015年より活動の拠点を東京に移し、着付けサロン「enso」を主宰。講演やイベント出演ほか、雑誌・広告などで着付やスタイリングを手掛ける。また国内外のアーティストとも多数コラボレーションし、海外メディアにも取り上げられるなど幅広く活躍。現在は一児の母として、着物で過ごす日々にある豊かさも発信中。令和元年には「enso japan」プロジェクトとしてニューバランスとのコラボレーションムービーを発表した。instagram:@hitomiito_

▼横にスワイプしてください▼


【お問い合わせ先】
千成堂着物店 tel. 044-750-9554
和小物さくら tel. 075-229-3678

撮影/最上裕美子
ヘア&メイク/赤松絵利(ESPER)
取材・文/笹本絵里
構成/幸山梨奈

 

第一回「明るいブラウン眉に。印象は変わらないのに雰囲気が変わる!【浜島直子】」はこちら>>
第二回「大人のシャドウに色は不要。パールの光沢感と透明感があればOK!【浜島直子】」はこちら>>
第三回「夏こそモードなウェットヘアに挑戦【浜島直子】」はこちら>>
第四回「ファッションとメイクのリンク技を夏休みにトライ!【浜島直子】」はこちら>>
第五回「チークとリップは同じ色!!で顔が垢抜ける【浜島直子】」はこちら>> 
第六回「ナチュラル派の脱ほっこりにはコスチュームジュエリーが効く!【浜島直子】」はこちら>> 
第七回「ナチュラル派の脱ほっこり!デニムをグレーにアップデート【浜島直子】」はこちら>>
第八回「ナチュラル派の脱ほっこり!ジャケットでシャープさをプラス【浜島直子】」はこちら>>
第九回「とがった靴を取り入れて、ナチュラル派も脱ほっこり!【浜島直子】」はこちら>>
第十回「ナチュラル派の脱ほっこりにブラックワンピが効く!【浜島直子】」はこちら>>
第十一回「人生初の長期休み。仕事を休むのは悪いことじゃない!【モデルはまじ】」はこちら>>
第十二回「初の長期休みの前に「心と体を整える時間」を【モデルはまじ】」はこちら>>
第十三回「家族と女友達一緒の旅のススメ【モデルはまじ】」はこちら>>
第十四回「ベルリン、暮らすように旅をする【モデルはまじ】」はこちら>>
第十五回「長い休みを終えた今、思うこと【モデルはまじ】」はこちら>>
第十六回「特別な日から始める、大人のきもの入門【モデルはまじ】」はこちら>>
第十七回「ランチや趣味のひと時をきもので過ごすなら、染めの名古屋帯」はこちら>>
第十八回「帯が主役。ファッションとして楽しむきものスタイル【モデルはまじ】」はこちら>>
第十九回「結婚パーティや卒業・入学式にまとうフォーマルな装い【モデルはまじ】」はこちら>>

 
  • 1
  • 2