長期の資産形成を促す「つみたてNISA」の期限が延長されることになりました。これまでは2037年で終了する仕組みでしたが、いつ積み立てをスタートしても20年の非課税期間が確保されます。つみたてNISAもあくまで投資ですから、結果は自己責任ですが、長期で取り組むほど有利であることは間違いありません。老後の生活が心配な人は、今回の期間延長をきっかけに長期の積み立て投資を始めてみるのもよいでしょう。

 

つみたてNISAは、年間の投資金額40万円を上限として、20年間非課税になる制度です。株式投資が非課税になる制度としては、NISAとつみたてNISAの2種類がありましたが、NISAについては2024年以降、制度が大きく変わる見通しです。つみたてNISAも、これまでは2037年が期限となっており、それ以降は非課税での積み立てができないルールでしたが、今回の制度改正によって開始時期にかかわらず20年の非課税期間が維持されることになりました。

つみたてNISAが強力なのは、何と言っても投資期間中の配当や売却益がすべて非課税になるという点です。投資をスタートする前は税金のことをあまり気にしないものですが、実際に投資を始めてみると税金がいかに投資成績に影響を及ぼすのか痛感するようになります。

例えば、年間24万円(月あたり2万円の計算)を20年間投資するケースを考えてみましょう。日本の株式市場はこれまで年間平均6%の利回りがありましたから、毎月、投資した金額はそれぞれ年率6%で増えていくことが期待されます。20年後の金額を計算すると、何と960万円にもなります(ちなみに無利子の貯金だけでは480万円です)。

もちろんこれはリスクのある投資ですから、この利回りが保証されているわけではありませんし、元本を下回る可能性もあるわけですが、過去の平均値から計算するとこうした結果が得られます。

筆者はこれまで20年以上にわたって株式投資を継続的に行い、現在の資産額は数億円規模まで拡大しています。もちろん、運に恵まれた部分もありますし、貯金のかなりの割合を投資に回すなど相応のリスクは取りましたが、これだけの資産を作ることができた最大の理由は、20年間、コツコツと絶対に休むことなく投資を継続したからです。投資はあくまで自己責任であり、絶対に儲かるなどと言うつもりは毛頭ありませんが、長期で取り組むことで有利になるというのは、筆者の経験からも断言できます。

こうした長期投資の最大の敵となるのが税金です。

 
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