シングルマザーとして、子供との日々の生活

 

――プライベートは凪の状態のような、穏やかな感じですか?

 

ともさか:そうですね。子供の進路のこととか、胃が痛い問題はたくさんあるんですけどね。
子育てに関しては子供の年齢によって大変さの質が変わってきますが、息子は今、未来に向かっている人だから、大変なことも含めて希望が詰まっていて楽しいです。

そういえば最近、息子がやたらと昼寝をするのですが、成長期なんでしょうかね(笑)。ふたりで暮らしているから、私の意識が常に息子に向いてしまいがちで「ママ、俺のことあんまり見ないで」ってよく言われます。確かにごはんを食べてるときも、テレビを観ているときも、どんな顔してるのかなって気になってしまう。ついつい見つめてしまう。だから普段はあまり見過ぎないようにしているんですけど、昼寝のときは心置きなく観察しています。この間も1ケ月に1cmくらい背が伸びていたので、この寝ている間にも大きくなっているんだろうなと思うと面白いな、って(笑)。

――息子さんとは、会話が多い方ですか?

ともさか:まだ割と話してくれます。思い返すと中2くらいの頃が一番面倒くさかったから、この間「あれって反抗期だったのかな?」って息子に聞いたら、「あんなの大したことないよ。本当の反抗期は部屋に閉じ込もってママと話もしないんだよ。俺はママとごはんも食べるしテレビも見るし、こんなの反抗期じゃないよ」って言われました(笑)。

――シングルマザーだと寂しい思いをさせないように過保護になってしまいそうなイメージですが、あまり「見つめすぎない」というのは意外です。

ともさか:父親が一緒に住んでいないという寂しさはもう仕方がないことで、私がすべて担おうとか、ないものを求めたりするのは、考えても仕方のないことだと思うんです。
でも割と息子が何でも話してくれるから、それに救われていますね。「こうだったら本当はいいのに」とか「パパがいればな」とか素直に言ってくれるので、タブーな話にならないというか。
でもこれはあくまで私の解釈の仕方なので、本当は言葉の裏側に真意が隠されているのかもしれないと思ったりもしつつ、そこは慎重に受け止めています。

彼は彼で離れて住んでいる父親とやり取りはしていますし、遺伝って面白いんですよね。離れて暮らしている時間の方が長いのに、父親と好みが似ているんですよ。やっぱり私には埋められない何かが絶対にあるので、そこはパパにお願いしています。そういう距離感でいてもらえることがありがたいです。
私は今向き合える瞬間、瞬間を何とか誠実にやっていくしかないのかな、って。でもあんまりやることがないんですよね。口出ししても嫌がられるし、見ていても嫌がられるし、ごはんを作るくらいしかやることがない。何かつまんないな、もうこんなに何もさせてもらえないんだ、って思うこともあります。

子供が小さいときは途方に暮れて、いつまで授乳しているんだろう、いつまでこの生活が続くんだろう、みたいなことを思っていたのに。この彼がひとりでトイレに行って、自分でごはんを食べる日なんて一生来ないんじゃないかと思っていたんですけど、割と早く来るものですね。
その瞬間の大変さは紛れもない事実ですけど、過ぎてしまうと過ぎてしまった日々が本当に輝かしく思える。息子の横で息子の小さい頃の動画とかを見て、すごい嫌がられています(笑)。

 


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撮影/田中恒太郎
スタイリング/辻直子
ヘア&メイク/北一騎
取材・文/細谷美香
構成/片岡千晶(編集部)
(この記事は2019年10月19日に掲載されたものです)

 

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