「去年の11月、テレビのロケの仕事でナイロビに行ったんです。そこでスラムキッズが暮らす保護施設を訪ねたところ、一人の男の子が私の手をつないできてずっと離さなかったんですね。彼はアントンといって、母親を父親に殺されたという過去を持っていました。でも、とても澄んだ綺麗な目をしていて、もう、その場で彼の里親になろうと決めましたね。アントンは今13歳ですけど、彼が大学を卒業するまで支援しようと思っています。その後もう一人、シェリーンという女の子の里親にもなりました。
ナイロビには、保護した後自然に戻れなくなった動物もたくさんいるのですが、その子たちの里親も募集していたので、私はキリンのリリィとゾウのサッタオの里親にもなりました。アントンとシェリーンへの支援額がそれぞれ月50ドル、リリィとサッタオへの支援額が年間で50ドル。それで彼らの人生をサポートできる。こんな素敵なことってないですよね」

ハワイの里親になったアントンと
同じく里親になったシェリーン(右)
訪れた保護施設で子供たちと
こちらも里親になったキリンのリリィ
 


人と人をつなぐことも私にとっての社会貢献活動


ただマキさんは、これ以上支援活動の場を増やすことは考えていないそう。なぜなら自分の許容量を超えると、心の余裕がなくなってしまうからだと言います。

「アントンとシェリーンには、お金だけではなく手紙も頻繁に送っていますし、集めた古着を携えてもう一度ナイロビまで会いにも行きました。社会貢献活動においては、そんなふうに心の交流も大事だと思っているんです。でもあまり活動の幅を広げてしまうと、私の心の余裕がなくなってしまう。だから私が直接携わるのはこの3つ、と決めています。その代わり、人と人をつなぐことで貢献するようにしているんです」

たとえば人気スタイリストの佐々木敬子さんが、アパレルブランドのCLOUDYとコラボレーションして製作した、鮮やかなエスニックデザインのバッグ。アフリカのガーナで織られた鮮やかなプリント生地を使い、品切れになるほどの人気だと言います。売り上げの一部はガーナの女性支援として布ナプキンなどを配布するために使われるそう。この佐々木さんとCLOUDYをつないだのがマキさんなのです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

佐々木敬子さん(@keikosasaki_mylan)がシェアした投稿 -


「CLOUDYは元々、ファッションを通じてアフリカの女性の労働支援や子供の学校を建設したりしているアパレルブランド。私は仕事関係者を通じてその存在を知ったのですが、何とか応援したいと思いつつも、私が直接関わるとなると、物理的にも精神的にもキャパオーバーになってしまう。そのとき『この布の色づかいは佐々木敬子さんのイメージだ!』と閃いて、彼女にこんなブランドがあると話をしたんです。佐々木さんもCLOUDYやアフリカ布の素晴らしさに共感してくれて、コラボバックを作るに至った、というわけです。この企画によって、バッグを1つ1つ作っている女性たちにコンスタントに仕事が入るようになる。それが彼女たちの生活を助けるようになる。つまり、人と人をつなぐことで、別の形で社会貢献することができたんです。ガムシャラに仕事をして人脈を広げてきて良かったなあと感じた瞬間でした」