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女性の「美の変革期」は3回〜美容医療は今のキレイをキープするもの

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切る&貼るだけじゃない。美容医療は心の病も治す

 

今でこそ言えますが、かつて「美容医療は医療じゃない」と非難する医者も少なくなかったんです。美容医療という分野はそのうちなくなるだろう、という声もあがっていました。ですが、これらの意見とは相反し、美容医療の認知はじわじわと上がっていったのです。その頃は女優やアナウンサーなど外見を気にする職業の方がほとんどを占めていましたが、中には美容感度の高い一般女性のニーズもありました。

 

もうひとつは心にコンプレックスを抱いた方からのニーズ。彼女たちと話をすると、美容医療はただの治療ではなく、自分の居場所を作ることもであったんです。その手段が美容医療だったんですね。


美容医療のプロが言う、治療を受ける前に知っておいてほしいこと


この10年で美容医療の考え方が大きく変わりました。キレイになることの手段のひとつに美容医療が加わり、それを選択する女性が増えている。より身近になった、のではないでしょうか。

40代以降の女性に多い悩みでもある眼瞼下垂。手術を受けたいと来院する女性が多いのですが、そもそも眼瞼下垂とはどのような症状なのか、ここでおさらいしたいと思います。

目を開いている時の眼裂(がんれつ=まぶた)が下がる病気で、視野・視力が低下し、重症化すると目を開くことができなくなります。この眼瞼下垂には、
①生まれた時からの先天性眼瞼下垂
②年齢によるものやコンタクトレンズなどの生活習慣による後天性眼瞼下垂
③偽眼瞼下垂 

があります。
僕個人の考えでいうと、実際は多くの人が偽眼瞼下垂なんです。病気ではない。正確にいうと「眼瞼下垂のような症状」であり、皮膚性の下垂なんです。まぶたにかぶってきた皮膚を切除するのであり、本当の眼瞼下垂ではないんですよ。

眼瞼下垂に“偽”があるなんて驚きますよね。本当の眼瞼下垂と偽眼瞼下垂の区別は難しく、線引きも曖昧です。これらの判断は医者の裁量になります。どのような治療を行うのか、リスクの有無、術後のメンテナンスなど治療を受ける前に「知る・学ぶ」ことも大事なんです。


「抗う」美容から「寄り添う」美容へ

 

美容医療は保険適応外の自由診療ですから、キレイの度合いも“患者さん次第”です。キレイを追求するあまり、最先端の機械を使いたい、新しい治療法を試したいという患者さんも多くいらっしゃいますが、「やりすぎ」てはいけない。医療である限り、トラブルは付きもの。医者はそのトラブルにカバーできるところまで考えて1歩引いた治療を提案すべきなんです。
まずはしっかり検査を受けること。治療方針については担当医とメリット・デメリットまでしっかり話し合い、決めることが大切です。

美容医療というと「年齢に抗う施術」と思われがちです。確かに昔はそのような考えで治療を受けていた方もいらっしゃるかもしれません。ですが、今はその考え方も変わってきました。先ほどの女将の話もそうですが、体も心も健やか&キレイであるために何ができるか。その選択肢の中に美容医療があり、治療方法も一人ひとりに合わせられる時代です。美容は年齢に抗う時代から寄り添う「WELL AGING(ウェルエイジング)」の時代へと進化しているのです。そのお手伝いをさせていただくことはとてもやりがいがありますね。

大竹尚之

1981年北里大学医学部卒業後、北里大学病院に勤務。1990年北里大学形成外科助教授などを経て2004年聖路加国際病院形成外科部長を務める。しっかりとしたコミュニケーションを図って治療方針を決めるため、患者からの信頼も厚い。18年聖路加国際病院を定年退職。19年松倉クリニック代官山大竹ラボ就任、現在に至る。

取材・文・撮影/長谷川真弓
構成/片岡千晶(編集部)

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