町で1軒だけだというホテルもとても良かったのですが、それは後日お話するとして、やっぱりモトブンにいったら“トリュフ”!なのです。白トリュフの名産地として有名で特に9月から11月はまさにその収穫期。私たちはそのど真ん中に訪れたわけです。あらかじめ、有名店「コノバ・モンド」をフェイスブック経由で予約しておき、19時くらいに店を訪れたときにはもう満席でした。

こちらがモトブンでトリュフをいただいたレストラン「KONOBA MONDO」。世界中からお客さんがきている有名店です。
白トリュフはテーブルの上でたっぷり削ってくれます。手前は牛肉のカルパッチョ、奥はパスタ。レストランの外にまで良い匂いが漂っていました。

これでもかというほど、各料理の上にこんもりと白トリュフがテーブルで削られます。地元のワインとのマリアージュもぴったり。白トリュフ料理をおなかいっぱい食べて、ボトル1本と食後酒を飲んで、3人でだいたい15000円くらい!! 東京だったら4~5万円くらいはする印象です。安いわ~。

 

来ている人達は、お店の人と顔見知りの地元の人と旅行者と半々くらいでしょうか。その中で、50代くらいの2人の女性がいました。2人ともお揃いの金髪のショートカットで、とっても顔も似ていたのでおそらく姉妹ではないかな。特に会話もなく、にこりともせずに黙々と白トリュフとトリュフソースがたっぷりかかった大きなステーキを食べていました。こちらが、女3人でぺちゃくちゃとかしましくおしゃべりしていたので、ああいう姉妹もいるのだなと印象に残っていたのです。

翌日の夜、とくに予約もせずに、ホテルの近くの雰囲気が良さそうなレストランにはいりました。外でメニューを見ている母と妹を残して私ひとり中に入って行くと、また黙々とトリュフ料理を食べている昨日の姉妹が! 

私の視線を感じてか、そのうちの1人が料理から目を離して顔を上げたので、私とばっちり目が合うことに。すると、もう1人に、何語だろう……、よくわからない言語でぼそぼそとなにか言いました。私、とっさに「Yes!It’s me!」と彼女たちに声をかけていました。一瞬しんとした間があって、次に3人で大爆笑。そのうち、母と妹も入ってきて、お互いを認め、5人で大爆笑。そう、もちろん、彼女たちが何語かわからない言葉で言っていたのは、間違いありません、「昨日いた人よ!」でしょう。

それぞれのお国や言葉は違えども、この、間というか、雰囲気というか、そういうおかしさが生まれる瞬間って本当にいいですよね。ああ、同じ人間同士だな、仲間だなって思います。そんなエピソードもあり、モトブンでの最後の楽しい夜は過ぎていきました。
来週は、このモトブンから訪れた、アドリア海の街々についてお話したいと思います。
ではまた!

 

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太田篤子 著 講談社刊 144ページ 1400円(税別)

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