3

紀子さまが伝えてきた「人として大切なしつけ」【秋篠宮家の教育】

1

外出の多い働く母の後ろ姿を見て育つ

1997年、赤坂御用地内にて。写真/宮内庁提供

眞子さまと佳子さまが、まだお小さかったころのことです。
秋篠宮邸では、ブラウスとスカート姿の紀子さまの周りで、眞子さまと佳子さまはご本を読んだりお絵描きをして遊んでいます。

やがて紀子さまがスーツをお召替えになり、お帽子をかぶられました。
すると──。
今までよい子でいた子どもたちは、急にスカートの裾にまとわりつき、ぐずぐず言い始めてお母さまを困らせるのです。

「お部屋着でいるときは安心だけれど、スーツを着るとお仕事に出かけてしまう……」
と、子どもたちにもわかるのですね。なだめたり、ときには叱ったりして聞き分けさせる。働く母のつらさは、いずこも同じですね。
 
仕事に出かける母の後ろ姿を見送った姉妹は、今は母からバトンを渡されて、ご公務を行うようになりました。凛々しい母のイメージは、子どもたちに受け継がれ、公務の折のお手本になっていることでしょう。
 

 

姉の眞子さまの姿をお手本にする

1998年、赤坂御苑にて。写真/宮内庁提供

2015年(平成27年)1月2日、皇居で行われた新年一般参賀に、20歳の誕生日を迎えられたばかりの佳子さまが初めて参加されました。佳子さまにとって、この日が成年後の「ご公務デビュー」です。

艶やかなピンク色のロングドレスを着た佳子さまは、お母さま譲りの笑顔で手を振られています。ナチュラルメイクの微笑みは、気品にあふれています。

隣には、留学中の英国から一時帰国して参加された眞子さまが、パステルグリーンのドレスを身にまとって笑顔を見せています。この日は、平成に入ってから三番目に多い約8万人もの国民が一般参賀に訪れていました。それほどこの若いプリンセスたちが注目を集めていたといえるでしょう。

一年前の同じ日、佳子さまは一般参賀の人々に混ざって下から宮殿のベランダを見上げていました。佳子さまの見つめる先にいるのは、一足早く成年を迎えてベランダに立たれている姉の眞子さまです。

「宮殿の前から見上げると、私たちはどのような姿に映るのかしら?」
そう思われた佳子さまは、あらかじめ下見に訪れていたのでした。ベランダにいる眞子さまは、佳子さまの姿に気づかれたそうです。
眞子さまの姿をしっかり目に焼き付けた佳子さまは、翌年、無事ご公務デビューを果たされたのでした。
姉の姿をお手本に、妹は道を歩んでいくのです。
 


キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。

第1回「美智子さま、清子さまから伝わる秋篠宮家のプリンセス教育のスタート」はこちら>>
第2回「【秋篠宮家のプリンセス教育とは?】幼少時は温もりある家に住み、動植物と触れ合う」はこちら>>

  • 1
  • 2