グローバル社会の今、飛行機で現地に飛ばずとも、容易に外国人とコミュニケーションが取れるようになりました。
2020年度は小学3年生からの英語学習がスタートし、夏には世界中の人々が集まるビッグイベント、東京五輪が控えています。
英語をはじめ外国語に接する機会が急速に増える一方、十年以上も英語を勉強しているのに話せない人、外国語への苦手意識が払拭できない人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回、世界でいちばん習得が難しいといわれる「アラビア語」を24歳から学びはじめ、5年後にはアラファト議長のアラビア語通訳を務めた現役外交官、中川浩一さんの著書『総理通訳の外国語勉強法』から、外国語習得に必要な心得を教えてもらいました。

 

「私はアラビア語をゼロから始めて、公式の外交交渉の会談通訳を行うまでの期間が4年8ヵ月、総理大臣の通訳を行うまでの期間は8年8ヵ月でした。英語でいえば、中学1年生から勉強を始め、高校2年生で外交交渉、大学3年生で総理大臣の通訳を経験したことになります」

 

しかも、中川さんは外務省に入省するまで留学経験は一度もなく、もちろん帰国子女でもありませんでした。
また、英語についても大学受験で勉強したのみで、英語を使ったコミュニケーションはかなり厳しいレベルだったと言います。
つまり、中川さんは、24歳の社会人一年目の段階で、ごく一般的な日本人の語学能力しかなかったにも関わらず、5年間で国際的なオフィシャルの場で通訳ができるほどの(しかもアラビア語!)語学力を身に着けたことになります。

そもそも、なぜ中川さんはアラビア語を担当することになったのでしょうか。