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【睡眠の常識】電車でウトウトはOK?知って得する「仮眠」のすすめ

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電車でのウトウトはOK? 良い仮眠の3つの条件

 

「睡眠負債を減らし、少しでも効率の良い仕事ができるお手伝いとして企業に仮眠室の導入を提案しています。ですが、ただ寝ればいい、というとそうでもなく、仮眠にも適した寝方があることがわかりました。今日は良い仮眠の3つの条件を紹介します」(渡邉さん)

 

①仮眠時間は30分程度が理想的
一体どれくらい寝たらいいの? という質問を多くいただくのですが、実は仮眠の質を左右するのは「時間」なのです。適した時間は15分から30分程度が良いとされており、脳を休める程度でしたら15分くらいで十分だと言われています。
反対に1時間以上仮眠を取ると、深い眠りに入ってしまうため、効率を下げてしまうというデータも。また、さらに、認知症になるリスクが高いとも言われているのでご注意を。

②仮眠をするなら15時までに
基本は夜の睡眠が主になるため、仮眠をするなら15時までがおすすめします。それ以降の時間まで寝てしまうと、夜、眠れなくなってしまい、就寝時間が延びてしまう恐れがあるからです。

③電車のウトウトはOK? 眠りにつく環境を整える
仮眠でも体や脳を休めるための環境を整えたほうが良いと言われています。次に話す仮眠室はゆりかごのような揺れを実現するリラックスチェアを導入しています。仮眠する時の姿勢や光の遮断やリラックス効果の高いアロマを焚くなど、心地よく眠りに導く環境作りも大切です。

その一方で「電車の中でウトウトと寝てしまっても良いの?」と聞かれることもありますが、西野先生曰く『体が眠りたいと要求しているのだから睡眠負債が下地にある場合、眠りたいときに眠ること自体は悪いことではない』とおっしゃっていました」(渡邉さん)


働き方のパフォーマンスが上がる? 最先端の「仮眠室」をご紹介

 

続々と導入が決定している仮眠室。一体、どのようなシステムになっているの? 2019年11月にスタートした最先端のシェアオフィス「POTAL POINT -Ebis」の完全個室型「BRAIN POWER NAP」をご紹介。

「仮眠室の導入を企業の方にお話すると、あることが共通しているのです。それは経営者の方が仮眠の大切さを実感されていること。世界中を飛び回っている経営者は、体を休めることの大切さをわかっていました。先日、お伺いした企業の代表の方は移動する車のシートを特注にしたと教えてくださいました。

アメリカでは短時間の仮眠で仕事のパフォーマンスを上げることを『パワーナップ(=POWER NAP)』と呼んでいるんです。今回、西野先生に監修していただき、仮眠をすることで脳の休息と情報の整理整頓をすることで効率よく仕事に取り掛かって欲しい、という意味を込めて『BRAIN POWER NAP』と名付けました。仮眠による効果をデータ化し、検証していくことも実施しております」(渡邉さん)

東京・恵比寿ガーデンプレイスの一角にある、最先端のシェアオフィス「POTAL POINT -Ebis」の完全個室型「BRAIN POWER NAP」。現在は入居者限定の施設になっている
事前登録をして受付でカードキーを受け取ります。
入り口はこんな感じ。入ったら内側から鍵を閉めて。
入り口を入るとメールアドレスを入力し、操作方法スタート。仮眠時は靴下を脱ぎ、裸足を推奨。まずは水を飲んで体温を下げます。
室内はこんな感じ。スムーズな動きがゆりかごのようなスムーズな動きがプログラミングされているプロアシスト社のウェルネスノルディックリラックスチェアを導入。
独自開発のIoTデバイスと睡眠時の呼吸周波数に合わせたメニューで眠りの環境を整える。室内を暗くして睡眠に特化したアロマを焚くことも可能です。


仮眠のすすめ、いかがでしたか? 仮眠することは悪いことではない、という意見は、慢性的な睡眠不足である私たちにはホッとする内容でしたが、油断は禁物!
「仮眠を推奨していますが、睡眠負債の根本的な解決にはなっていません。あくまでも仮眠は対処法。本来であれば、睡眠環境を整え、睡眠時間を設けるというのが正しい睡眠方法であるということを忘れないでください」(渡邉さん)。

次回は、睡眠環境を整えるベッドは? マットレスは? 「良い寝具・悪い寝具の見分け方」を紹介します。

取材・文・撮影/長谷川真弓
構成/藤本容子(編集部)

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