新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、外出するのではなく、家の中で何かを楽しむ人が増えているようです。インターネットの普及によって、もともと「巣ごもり」ビジネスが拡大するという予測がありましたが、今回のウイルス騒動は、こうした習慣をさらに拡大させるかもしれません。

 

武漢を中心に一時、全土に感染が拡大しかかった中国では、政府が在宅業務を推奨したこともあり、多くの人がリモートワークに移行しました。むやみな外出も自粛となったことから、家での時間をもてあます人が増え、オンラインゲームの利用者が急増するという現象が見られました。各種イベントも中止となっており、音楽関係者の中からは、クラブイベントをネットで開催する人が現れています(ネットを使って行われるクラブイベントは「クラウドパーティ」などと呼ばれているようです)。

日本でも2020年2月27日に、政府が小中学校や高校の一斉休業を要請したことで、多くの子どもたちが当分の間、学校以外の場所で過ごすことになりました。東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど各テーマパークも休業に入っていますから、どこかに遊びに行くというわけにもいきませんし、何より感染拡大防止という観点から、人が集まるところに出かけるのは控えた方が賢明です。

さらにいうと、激しいスポーツも感染リスクを増幅させることが分かっていますから、むやみにスポーツで体を動かすというわけにもいかないでしょう(マラソン大会が中止になっているのは、単に人が集まるという理由だけではありません)。結局のところ、大人も子どもも、家で何かを楽しむということが有力な選択肢にならざるを得ないのが現実です。

もっともお手軽なのは、家で映画やドラマなどを楽しむことでしょう。

このところ日本でもネットの動画サービスが急拡大しており、ネット動画配信大手の米ネットフリックスは、2019年9月時点で約300万人(日本国内)の契約者を獲得しているそうです。アマゾンもAmazon Prime Viedoという動画サービスを展開しており、国内で制作された婚活サバイバル番組「バチュラー・ジャパン」が大ヒットとなりました。

日本では動画コンテンツは圧倒的に地上波のテレビが優勢ですが、若い世代を中心に徐々にネット動画サービスも拡大しています。これまで契約を躊躇していた人も、今回の巣ごもりをきっかけに加入するケースが増えそうです。

 
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