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皇室担当記者が読み解く雅子さまのお覚悟と皇室の未来

これからの活躍が楽しみな愛子さま

 

ご両親とともに映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のチャリティ試写会に出席された愛子さま。2019年12月18日、港区虎ノ門・日本消防会館ニッショーホールにて。写真/JMPA・光文社

 

お誕生日に際しての文書には、愛娘の愛子さまのことにも触れています。

「愛子さまも春から学習院大学に進学されます。中学の後半、高校生になったあたりから少しずつ、ご自分は皇族の一員で他の人とは違う、と自らのお立場を自覚するようになってきたように受け止めています。
例えば、11月に行われた『大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀』のために皇居の本丸に造られた大嘗宮を、壊される前に単独で見に行かれています。

また、伊勢神宮に参拝して、20年に一度行われる式年遷宮のことを調べたりするなど、次第に皇室の一員としてのご自覚をもとにした活動が多くなってきています。これから大学生になればますますそうしたご研究などに励まれるような気がします。また、20歳になれば成年としてのご公務にも参加されることになります。

中学卒業時の広島の原爆資料館に行かれた時の作文は、抜群の内容で、これだけ深い考えをし、表現力のある方なんだ、と感銘を受けました。愛子さまがこれからどのような活躍をされるのか、おおいに楽しみです」
 

私たちにとって皇室とはどんな存在なのでしょう?

 

2020年、新年を迎える天皇御一家の記念写真。写真/宮内庁提供

現在、日本国民約1億2000万人いる中で、皇室のメンバーはたった18人しかいません。少ない人数で公務をこなさなければならないことに、将来のことも含めて心配する声があがっています。

「日本の皇室は、清廉潔白、清く正しく美しく。もう宝塚のスローガンそのものです(笑)。生身の人間として、そういう生き方をずーっとされてきた、そうしたことも国民から敬愛の対象の源泉になっているような気がします。

私は、皇室の存在が日本の国の安定と国民の心の平穏を示すよりどころになっていると思っています。
皇室の方々は、国民が普通と思って享受しているさまざまな権利や行動が制限されています。選挙権もありませんし、皇位に就けるのは男子のみという男女差別もあります。男子皇族の場合は、結婚については自分の意思だけでは決められず、皇室会議の議を経て初めて認められるのです。一般人のようにはできない生活を強いられながら皇室にいるわずか18人の方々について、国民はもう少し思いを致し、理解を深めていくようにしたほうがいいのではないでしょうか。

 

天皇陛下60歳のお誕生日にあたり撮影されたご夫妻のポートレート。写真/宮内庁提供

憲法に規定された天皇条項は、『国のかたち』の基底となることを示しています。皇室の今後を考えることは、将来にわたっての日本の『国のあり方』を考えることにつながります。主権者である国民の一人ひとりが、皇室について自分たちの問題として落とし込んで考えなければならないのではないでしょうか。

さまざまなご苦労を経て皇后に就かれた雅子さまは、天皇陛下とともに新しい令和の皇室を切り開かれようとされています。そのなさりようを長い目で静かに見守っていきたいと思っています」

●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)

出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に、『愛のダイアナ』( 講談社)、『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』( ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』(講談社)、 カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、 『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

 

本文、キャプションは過去の資料をあたり、
敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、
その当時のものを使用しています。
撮影/山本遼(大久保さん・講談社)
構成/高木香織、片岡千晶(編集部)

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