遺言書がない場合は法定相続人が相続する


誰が故人の遺産を相続するのか。まず、遺言書があった場合は、血縁者かどうかに関係なく、そこに書かれている人が相続人(=指定相続人)になります。しかし実際には、 遺言書がないケースのほうが多く、民法で定められた「法定相続人」が相続することになります。
「そんな難しい言葉を使わなくても、要するに配偶者や子ども、または親やきょうだいでは?」……基本的にはそのとおりです。ただし、その「配偶者や子ども」「親やきょうだい」には、民法において定められた優先順位と範囲があるのです。

配偶者は必ず相続人になり
それ以外は順番がある

まず、配偶者(❶)は必ず相続人になります。この配偶者にプラスして、相続する人たちの優先順位は下図のとおりです。

●第1順位 子ども(養子も)❷ →孫❸→何代でも可
●第2順位 父母❹→祖父母❺→何代でも可
●第3順位 きょうだい❻→おい・めい❼

まず、第1順位のグループ内で、優先順位の1番目は子ども。配偶者がいれば配偶者と子どもが、配偶者がいない場合は子どものみが相続人になります。子どもが亡くなっていれば孫、曾孫と下位へ移ります(代襲相続)。
第1順位のグループに誰もいない場合、同様に第2順位、第3順位のグループへと相続権が移ります。

 

遺産相続にあたり、故人と法定相続人すべての戸籍謄本を集める必要があります。これは、故人との関係を証明するだけでなく、隠し子など、新たな相続人がいないことの確認も兼ねています。 集めるのは、故人の場合、出生から死亡までのすべての戸籍謄本。戸籍謄本は本籍地で取得するため、本籍を移している場合、それぞれから取り寄せねばならないケースも。方法は、まず最後の本籍地で最新版を入手。そこに書かれた一つ前の戸籍がある役所をたどって取り寄せる、を出生時の戸籍が手に入るまで繰り返します。