汚染されている手袋を最初に外す

 

消毒が終わったら、個人防護具を慎重に外します。消毒作業中に思わず個人防護具が汚染されていることもありえますから、この防護を外す時というのはリスクが高い時です。十分慎重に行う必要があります。

 

まずは、一番汚染されている可能性が高い手袋を外します。手袋を外す際は、片方は手袋の外側に触れて反転しながら外し、その後、もう片方を外す際には素手で手袋の外側に触れないように、内側に手を入れて反転させながら外して捨てます。

手袋を外したら一度手指消毒をしてください。

その後、ガウンも外側に触れないように脱ぎます。まず首元の結び目を外し、前方に垂らします。その後、袖があるものであれば、ガウンの外側に触れないようにそっと両腕を抜きます。ガウンの内側のみに触れて丸め込み、最後に背中紐を引っ張って破り、捨てます。

この工程が終わったら、最後に20秒以上しっかりと石鹸で手洗いを行い完了です。
 

オフィスでできる日頃の感染予防策


無症状の感染者がいることを考えると、明らかな感染者が出なくても、気づかぬ間に、オフィスで感染が起こる可能性もありえます。このため、日頃から感染予防策を行うことが大切です。

オフィスは常に風通しをよくし、可能な限り、個人間を2m以上離せるようにしましょう。

可能なら、オフィスの入り口で検温や症状チェックができるようにします。そして、該当者は帰宅とします。また、入口で全員がアルコール手指消毒をするよう徹底するのも有効だと思います。

オフィスのよく使う場所、デスク、キーボード、ドアノブやトイレといった場所は、明らかな感染者が出なくとも日々のルーチンとしてアルコールワイプや先程の塩素消毒剤などできれいにしておくことで、より良い感染対策につながると思います。

また、パソコンのキーボードなど電子機器類は、水に弱くなかなか洗浄が難しいかもしれません。このため、あらかじめ洗浄が容易なプラスチックカバーなどをかけて使用するのも手だと思います。これにより日々の消毒作業が楽になるでしょう。


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今こそ、働き方改革を


また、こう言ってしまっては元も子もないかもしれませんが、何よりオフィスを使わずリモートワークができれば、このようなオフィスの悩みは生まれません。

このような消毒作業を行っても、ゼロリスクはありえません。通勤途中にも、昼食の時間にも、感染機会はあるでしょう。会社として完全なリモートワーク移行は難しくとも、オフィスを分ける、1回あたりの勤務者を減らすなどの対応で、リスク分散が可能です。

また、個人レベルでは、しっかりとした休養、栄養、睡眠をとることもまた、一般的な感染予防として重要です。しっかりと社員の休みの日を作る、これまでより勤務時間帯を短縮するといった取り組みも感染予防につながるでしょう。

これまでやりたくても遅々として進まなかった働き方改革が、この感染流行で一気に進めば、怪我の功名かもしれません。
 

参考文献
van Doremalen N, Bushmaker T, Morris DH, et al. Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1. N Engl J Med 2020;382(16):1564–7. 

米国疾病予防管理センターウェブサイト 2020/4/16閲覧

 

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