新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったり、収入を大幅に減らす人が増えています。政府は一律10万円の給付を決定し、5月中の給付を目指していますが、場合によってはもっと遅くなる可能性も指摘されています。当面の生活費に苦慮している人はどうすればよいのでしょうか。

 

政府は今回のコロナ危機に際して、公共料金の支払いについて柔軟な対応を行うよう自治体や事業者に求めており、各社は対応に乗り出しています。本来であれば、こうした非常時における公共料金の支払い猶予といった措置は、政府が一括して、事業者に緊急要請するのが望ましいのですが、日本の場合、こうした対応はあまり期待できません。しかしながら事業者単位とはいえ、猶予策が講じられることになったのは評価すべきであり、生活が苦しい人はぜひ活用を検討してください。

例えば東京都では、水道や下水道の料金について支払いを猶予する制度をスタートしました(住んでいる地域により異なるため、詳細は各自治体に確認してください)。新型コロナウイルスの影響で収入が減少するといった理由があれば、最長で4カ月間、支払いを先延ばしにできます。猶予期間後についても支払いついて相談に応じるとのことなので、状況次第ではその後の支払いについても柔軟に対応してもらえる可能性があります。

電気料金も支払い延長の対象となりますが、上下水道と比較すると条件が厳しいようです。

詳細は契約している事業者に確認する必要がありますが、東京電力では、料金の1カ月支払い延長を受け付けています。ただし、この制度の対象となるのは、政府がコロナ対策として打ち出した「緊急小口資金・総合支援資金」制度を利用している人のみになりますから、希望者全員が猶予されるわけではありません。

この貸付制度は、休業や失業などによって収入が著しく減少し、生活が困難になっている人を対象とした一時的な融資制度です。緊急小口資金は主に休業を想定したもので、1回あたり最大20万円以内の金額を無利子無担保で貸し付けます。一方、総合支援資金の方は月20万円以内の金額を原則3カ月以内で貸し付けるものです。

ただ、この制度を利用するには、多くの書類を提出しなければならず、対応が遅いとの批判が出ています。制度を利用しないと電気料金は繰り延べられませんから、少々ハードルが高いといってよいでしょう。

 
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