①  「たくさん捨てること」をあきらめる
②  部屋の大きさは無視して、モノの「整理」に専念する 
③  一気に片づけず、1日3時間まで
④  自分が何を愛しているのか把握する 

「一般的な片づけ方法と、真逆では?」と疑問に思われるかもしれませんが、それでいいのです。 
従来の片づけ本は、全員がミニマリストを目指すために設計されているので、モノの用途を冷静に見極め、モノと距離を置いてサバサバと分類し、用途がないモノを潔く捨てられる能力のある人にしか合いませんでした。 
それに、毎日必死にきれいな部屋の状態を維持するために時間を割くことが、本来の自分の人生の目的に合っているかどうかも疑問です。 
しかし、この記事で目指すのは、「所有しているモノの量は減らさずにスッキリ暮らし、片づいた部屋を最小限の努力で維持すること」です。 
では、先述の4つの基本についてひとつずつ説明しましょう。 
 

 

① 「たくさん捨てること」をあきらめる 


モノへの愛が深い人ほど、一気にモノを捨てると、必ず後悔します。 
モノを買うのに時間をかけて吟味し、その後も大切にかわいがってきた人が、わずかな時間でポイポイとゴミ箱に捨ててしまうと、「誤って捨ててしまった」と感じたとき、とてつもない後悔を味わうことになります。その寂しさを紛らわすために、新しいモノを買い足してしまう方も多くいます。これが、いったん部屋が片づいてもすぐにまたリバウンドする原因です。 
目指すのは「捨てた量」ではありません。大量のゴミ袋が玄関に並んでいる様子に快感を覚えるのは、モノに対してドライな人だけです。 
捨てた量ではなく、「残したモノの質の高まり」を、ゴールにしましょう。 
片づけ作業でゴミが少ししか出なくても、大丈夫。 定期的にモノと向き合う時間自体が、モノへの愛をより高めてくれます。 
たとえひとつもモノを捨てられなかったとしても、モノの意味を考え直す時間を持てたことが意義あることなのだととらえましょう。
 

② 部屋の大きさは無視して、モノの「整理」に専念する


「収納」は、モノを活用するための手段であり、目的ではありません。 
家の広さと、自分のモノへの気持ちにとくに相関関係はないのですから、モノと「収納」を切り離してじっくり考えることで、後悔のない納得のいく「整理」ができます。
まずは、収納量のことはいったん無視して、「これは自分にとって、どんな意味があるのだろうか」と考える「整理」の作業を、真剣に行いましょう。