まずは部屋を見渡してみて、思いあたる自分の愛するモノを、どんどん付箋に書いていきましょう。モノの大小は問いません。たとえば、「ギター」も「化粧品サンプル」も同じように、自分にとっての愛するモノとして扱います。 
そして、付箋にすべて書き出したら、それを下図のように愛の大きさ順に並べ替えて、ランキングをつくってみてください。 

 

このランキングは、実際に片づけ作業を行うときに「手をつける順番」に影響をおよぼします。愛が深いモノは、片づけるのに時間がかかるため、作業の最後に回すほうがよいからです。 

家族と暮らしている方は、このランキングを家族全員でつくってみてください。 
家族で仲よく片づけを進めるにあたって、それぞれが何を大事に思っているかを知ることは、非常に重要です。
家族の「じつは大切に思っている意外なモノ」を把握することで、誤って捨ててトラブルになったり、片づけを強要して不機嫌になられたりする事態を避けることができます。 
たとえば、「紙袋」「箱」「リボン・包装紙」などのように、自分にとっては一見不要に思えるモノであっても、人によっては意外と思い入れのあることが多いものです。 
自分が「ゴミ」と認定したという理由で、相手に「紙袋は捨てよう!」と強要してしまうと、相手の片づけに対するモチベーションは一気に下がります。 
相手に「この人はなんでも捨ててしまうんだ……」と一度思い込まれてしまったら、心を閉ざされるだけでなく、物理的にモノを隠されることもありますから、一向に片づけが進まなくなることもあります。 

あなたも、「どうしても捨てたくない!」と思うモノがあるのではないでしょうか。 
その気持ちを、大事にしましょう。 
これは決して甘えや怠慢ではありません。モノへの愛は、そのモノの価格や社会的価値とは一切関係なしに、個人的な感情がすべてです。自分の「好き」としっかり向き合い、自分に合った順番で片づけることで、片づけは驚くほどスムーズに、気持ちよく進むのです。

 
 

『モノが多い 部屋が狭い 時間がない でも、捨てられない人の捨てない片づけ』
 

著者:米田まりな ディスカヴァー・トゥエンティワン 1500円(税別)

モノを愛する人へ贈る、「捨てなくても片づく仕組み」を紹介。モノを手放さすことなくすっきり整理された部屋を手に入れ、リバウンドしない習慣を教えてくれる一冊です。


構成/小泉なつみ
この記事は2020年5月3日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。

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