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皇后になられてから1年、雅子さまが人生の節目にイエローを選ばれる理由

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愛子さまお誕生のお披露目には優しいたまご色のワンピースを

 

愛子さまはちょうど3ヶ月、首も座られすくすくと成長されています。写真/宮内庁提供

ご誕生間もない愛子さまをお披露目された記者会見では、シンプルなシルエットの穏やかなたまご色のワンピースをお召しになりました。金具のないシンプルなワンピースは、赤ちゃんを抱っこされてもボタンやファスナーなどに肌が触れてお痛みにならないようにとのご配慮なのでしょう。
「優しいお母さまの心が感じられる装いでした。襟元のスカーフがフェミニンで、幸せ一杯の華やぎを添えています」

 

即位を祝う一般参賀は、太陽のように輝くひわ色のドレスで

 

新天皇即位を祝う一般参賀。皇后になられて初めて国民に挨拶を。2019年5月4日、皇居にて。写真/Pasya/アフロ

天皇陛下の即位を祝う一般参賀の際にお召しになったのは、ひわ色のローブ・モンタントです。ひわ色とは、マヒワという小鳥のように緑がかったイエローのこと。ドレスのネックラインからは輝くビジューが広がり、まるで放射線状に光を放つ太陽のよう。両袖口とお帽子にも同じビジュウがあしらわれています。
「まるで雅子さまが太陽のように光り輝き、私たちを包み守って下さるかのように感じました」


饗宴の儀のイエローは、品のよいドレスと華やかな訪問着に


即位礼正殿の儀を終えられたあとの饗宴の儀では、全4日間のうち2度イエローのお召し物を身につけられました。

2日目はデリケートな光沢を放つ、淡いイエローのシルクのイブニングドレス。

 

白地に淡いイエローを織り出した格調高いドレスの胸元には、雅子さまお気に入りの三連のパールネックレスが輝いています。写真/宮内庁提供

最終日は海外の賓客からも人気の高いお着物でお出ましになりました。淡いクリーム色の地におめでたい松を描いた訪問着は、華やかでありながら落ち着きと風格を滲ませ、日本のお祝いの席にもっともふさわしい装いでした。

 

写真/内閣府提供


雅子さまはさまざまなシーンでイエローの洋服や着物をお召しになられています。イエローは雅子さまのはっきりした顔立ちにお似合いになるのはもちろん、その場を一瞬で明るく華やかにさせる力があるのです。
雅子さまはそんなイエローの力を借りて、大切な節目のご公務や会見に臨まれているのかもしれません。


石原裕子(いしはら・ゆうこ)
ファッション評論家。長年に渡りパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのプレタポルテコレクションを取材し、世界のファッション業界事情に精通している。即位関連の一連の儀式の間、メディアで雅子さまの装いを分かりやすく解説。現在、テレビ・雑誌・講演などで活躍中。「ファッションチェック」という言葉の発案者でもある。

●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)

出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に、『愛のダイアナ』( 講談社)、『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』( ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』(講談社)、 カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、 『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

 

本文、キャプションは過去の資料をあたり、
敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、
その当時のものを使用しています。
取材・文/高木香織
構成/片岡千晶(編集部)

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