【小島慶子】コロナ後のファッション。私たちは何をどう着るのか_img0
 

今、私はオンラインでの取材を終えて一息ついたところ。今日は久々に顔にパウダーを叩き、マスカラとリップを塗って、慌てて引っ張り出してきた春物のカットソーを着ました(下は・・・ごめんなさい、パジャマのズボンです・・・次はちゃんとしよう)。メイクをしたのはいつぶりだろう?気分がシャキッとして、なんだかウキウキ。装うって、自分をハッピーにすることなんだなあと実感します。

 

今後はオンラインで仕事をするのが当たり前になっていくでしょう。慣れてしまうと、楽ですよね。私は6年前にオーストラリアと行き来をする生活を始めたので、画面越しで会議や打ち合わせに参加したり、取材を受けたりするのには馴染みがあります。でもこうしてコロナ危機で東京の一人暮らしの部屋にこもって仕事をしてみると、東京でもわざわざ出かけて行って会わなくてもよかったんだよね、と気づいた次第。そのほうがお互いに、時間も費用も節約できるし。

皆さんお気づきのように、外に出る機会が減ると、劇的に身なりにかまわなくなります。自分はもちろん、他人にも寛容になりますよね。「え、この人オンライン打ち合わせなのにスッピンにコスパブランド?」なんて思いませんもん。この解像度でいちいちファッションポリスが出動するんじゃ、自分もしんどくなっちゃいます。

先日あるオンライン勉強会に参加したのですが、普段テレビ画面に出ている女性たちも含めて、みんなほぼすっぴんに普段着で話に集中していました。司会の私も、ノーメイクにメガネ、スエット。テーマがコロナ危機に関することだったこともあり、お洒落どころじゃないよという心境でもあったのですが、なんかこれいいよなあ、と思いました。
何がいいって、互いへの信頼が感じられたこと。ここにいる人たちは問題意識を共有しているし、誰も見た目で判断したりしないとわかっているから、みんな安心してすっぴんで参加できたのです。

 
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