うま味成分グルタミン酸の含有量は昆布に匹敵!「パルミジャーノ・レッジャーノ」


パルミジャーノ・レッジャーノは100g中に1.2〜1.6gのアミノ酸系うま味成分(グルタミン酸)が含まれ、昆布に含まれるグルタミン酸の量に匹敵します。すりおろしてパスタにかけたり、サラダのトッピングにひと振りすれば、コクとうま味が増して料理の味が大きく変わります。 スープや煮込み料理にはだしのように使うなど、いわばイタリア版うま味調味料的な存在。

こうした使い方は日本でいえば、豆腐やお浸しにふりかけたり、おにぎりの具などに頻繁に使う、かつお節に似ています。ちなみに緑の筒に入った粉状のパルメザンチーズはアメリカでパルミジャーノ・レッジャーノを模して作られたもの。本家本元イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノは1〜4年もの長期発酵、熟成を経て完成させるので、うま味成分の含有量が格段に多いのが特長です。

 


パルミジャーノ・レッジャーノの皮はだしに利用可


パルミジャーノ・レッジャーノの濃厚なうま味と芳醇な香りは、料理の味を底から引き上げるだしのような力強さがあります。かたまりが入手できたらお試しいただきたいのが“皮”と呼ばれている、チーズの表面を覆っている部分。

ここは熟成中に水分が蒸発してかたくなったところなので、本体よりもうま味が凝縮しています。細かく切って熱湯に入れ、弱火で10分ほど煮出して漉したものをカレーやシチュー、野菜スープなどのベースに使えば、うま味の凝縮された濃いだしになり、味に深みが増します。ぜひお試しを!
 

 

 

 

『その料理、つくり方間違ってます。 おいしさを逃さない「うま味」方程式』
監修:東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 講談社 1400円(税別)


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構成/小泉なつみ