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【皇后・雅子さまファッション】輝くゴールドと神聖なホワイトの眩い美しさ

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即位パレードは、白バラの花びらが揺れるドレス

 

パレードに臨まれる天皇陛下と雅子さま。雅子さまは、正装のローブ・デコルテに勲章「宝冠大綬章」をつけ、頭上は華やかなティアラで飾られています。ティアラは「皇后の第一ティアラ」と呼ばれ、中央の丸い大粒のダイヤモンドと柔らかな曲線が美しいデザインです。このティアラは昭憲皇太后、貞明皇后、香淳皇后、美智子さまと歴代の皇后が継承し、雅子さまが受け継いだものです。写真/JMPA・講談社(椎野充)

爽やかな秋晴れの中、11月10日には天皇陛下の即位を祝う即位パレード(祝賀御列の儀)が行われました。天皇陛下と雅子さまは、皇居から赤坂御所までを真新しいオープンカーに乗ってバレードされたのです。
その日雅子さまがお召しになったのは、ご成婚の時を彷彿とさせる襟元に白とゴールドのバラの花びらが華やかに揺れる美しいドレスでした。お気持ちを新たに、皇后への道を歩み出されていたのでしょう。

大嘗祭(だいじょうさい)は、純白の御祭服(ごさいふく)

 
 

皇后が拝礼する場所である帳殿(ちょうでん)に向かわれる雅子さま。薄明りのなかをゆっくりと進まれます。写真/宮内庁提供

天皇陛下が一代に一度だけ臨む皇位継承儀式である大嘗祭。皇居内に作られた大嘗宮(だいじょうきゅう)において、11月14日の夕方から15日の朝3時ごろにかけて神事が行われたのです。夜の間に行われるこの神事は、天皇陛下が神々に新穀を供えて五穀豊穣と国家の安寧を祈られ、皇后雅子さまもともに神事を行われました。
この日、雅子さまは十二単と同じような純白の御祭服に身を包み、髪を大垂髪(おすべらかし)に結われて臨まれました。


伊勢神宮の帰りは、玉虫色に輝くセットアップで

写真/JMPA・講談社

1年近くに渡った即位関連の儀式は、神々への報告をもって終了します。
11月22日には、天皇陛下と雅子さまは伊勢神宮を訪れ、即位の礼や大嘗祭を終えたことを報告されました。その帰りにお召しになったのは、ゴールドベージュのセットアップでした。「一見あんず色のようですが、中から金色が浮かんできらめいて、玉虫色という方がふさわしいような生地です。こういった奥から輝きが出てくるような色を雅子さまはお好きです。金色は、皇后さまの色。雅子さまは、自信を持って身につけられるようになったのです」。

皇后さまとしての金と白。雅子さまは普段のご公務のときにも、ときにはロマンティックに、ときにはゴージャスな雰囲気でおおらかに着こなされているのです。


石原裕子(いしはら・ゆうこ)
ファッション評論家。長年に渡りパリのオートクチュールコレクション、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのプレタポルテコレクションを取材し、世界のファッション業界事情に精通している。即位関連の一連の儀式の間、メディアで雅子さまの装いを分かりやすく解説。現在、テレビ・雑誌・講演などで活躍中。「ファッションチェック」という言葉の発案者でもある。

●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)

出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に、『愛のダイアナ』( 講談社)、『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』( ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』(講談社)、 カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、 『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

 

本文、キャプションは過去の資料をあたり、
敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、
その当時のものを使用しています。
取材・文/高木香織
構成/片岡千晶(編集部)

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