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【皇后・雅子さまファッション】輝くゴールドと神聖なホワイトの眩い美しさ

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令和の時代となり、雅子さまが皇后になられてから1年が経ちました。この間、雅子さまはさまざまなお姿を私たちに見せてくださいました。
優雅な晩餐会でのドレス、颯爽としたご公務のスーツ……ご婚約の頃から変わることのない着こなしは、まさに「雅子さまスタイル」。そのファッションも注目を集めています。
テレビなどを通じて、雅子さまファッションの解説で知られる皇室ファッション評論家の石原裕子さんに、雅子さまの装いの魅力を伺いました。


品格と知性あふれる雅子さまファッションの変遷>>

即位後朝見の儀には、正装の白いローブ・デコルテ

 

天皇陛下即位の際に撮影された雅子さまの御正装写真。写真/宮内庁提供

2019年5月1日には天皇陛下が即位され、雅子さまは皇后になられました。即位後朝見の儀の際には、雅子さまは皇后となって初めてローブ・デコルテの姿をお見せになりました。シンプルなローブ・デコルテだからこその気品が感じられます。トップレディの証であるティアラと宝冠大綬章(ほうかんだいじゅしょう)を身につけられた皇后の正装です。

 

ちなみに1993年6月9日のご成婚の日も、雅子さまは妃殿下のウエディング・ドレスである純白のローブ・デコルテをお召しになりました。美智子さまから納采の儀の際に贈られた京都・西陣の龍村美術織物が製作した、明暉瑞鳥錦(めいきずいちょうにしき)という織柄の生地で作られたもの。白地に金箔を入れた金糸を使って龍と鳳凰と唐草を表現し、ゴールドの色合いも鮮やかに織り上げられています。
「デザインした森英恵さんは、初めて雅子さまにお目にかかったときに『白バラのような方』と思われたそうです。その印象を大事にして、ウエディング・ジャケットの襟元に花びらのようなフリルをあしらったといいます」。
オープンカーに乗ってパレードをされた時には、この白いバラの花びらがふわりと揺れて、人々の目を楽しませてくれました。頭上に輝くティアラは美智子さまがご成婚の際にお召しになった、「皇太子妃の第一ティアラ」を受け継いだものでした。

3代にわたって受け継がれた煌びやかなダイヤモンドのティアラ、ネックレスが映えます。写真/宮内庁提供
雨上がりのやさしい日差しのなか、約19万人が詰めかけた「祝賀パレード」では、ローブ・デコルテの上に半袖のジャケットをお召しに。ドレスと同布のハンドバッグを合わせられて。写真/JMPA


晩餐会には、ベージュ地のロングドレスにジャケット

 

2019年5月27日、天皇陛下即位後初の国賓、トランプ大統領とメラニア夫人を迎えられた雅子さま。流暢な英語で大統領および夫人と会話される雅子さまに、称賛の声が相次ぎました。写真/JMPA・文藝春秋

皇后になられて間もない5月27日には、米国からトランプ大統領夫妻をお招きして宮中晩さん会が開かれました。その日の雅子さまの装いはベージュ色のとろみのあるシルクのロングドレス。
「上に羽織ったショールカラーのジャケットは繊細なシャンティレースで、誰もが皇后さまとしての風格を感じた装いでした。シャンティレースにはトランプ大統領がお住まいだったニューヨーク州の州花であるバラが美しく織り上げられています。インナーのとろみのあるドレスも、とてもお似合いでしたね」。
まさに大輪のバラを感じさせるドレスといえるでしょう。


即位礼は、純白の十二単(じゅうにひとえ)

午前9時、皇居・宮中三殿へ拝礼される雅子さま。即位礼を行うことを、皇祖神とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつる賢所(かしこどころ)などへ報告するのです。写真/宮内庁提供
こちらの十二単は、五衣(いつつぎぬ)と唐衣(からぎぬ)、裳(も)のいずれも純白で、清浄さを表すとされます。写真/宮内庁提供

10月22日、即位礼正殿の儀が行われました。雅子さまは純白の装束に身を包んでお渡りになります。いかにも清らかなお姿でした。「神さまの前で身も心も清めるという、皇后さまの原点の色が白なのです」。

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