菊原さんをスーパー営業マンに変えた「1分間仕事力」とは、以下の4つの要素だといいます。

① だんどり力……いわゆる「スケジュールを立てる」こと。寄り道せずに最短で結果を出すために、明日やることをリストアップする。
② 巻き込み力……「目標を成し遂げるために多くの人を動かしていく力」のこと。周りを巻き込んでチームを編成し、目標を達成する。
③ 記録力……ミスを軽減させ、もっとも即効力を発揮してくれる「記録」を習慣づける。
④ 時間管理力……朝の時間を有効に使い、「先行逃げ切り型」で仕事をすすめる。メリハリを大切に、やるときは全力で、休むときはスパッとリフレッシュタイムに切り替える。

この4つの短縮力はどれから始めてもいいそうで、得意なものからチャレンジしていけば、着実に1分間でできる仕事量がアップしていくそう。

「働く時間を長くすることはできなくても、時間の使い方は変えられます」と菊原さんが語るように、集中して仕事ができる時間自体に個人差はさほどないと思えば、やはり改善すべきは「密度」だよな……と、深く納得しました。

 


「1時間は、1分間が60ピース」と考える


さらに菊原さんは、「1分間仕事力」の基本的な考え方として、「ざっくり1時間」という考え方をやめるように、とアドバイスします。

「たとえば、上司から『この仕事を今日中にやっておいてくれ』と言われたとします。時計の針を見れば、退勤の時間まで1時間くらいしかありません。しかも、その仕事のボリュームを考えると1時間ではかなりきつい感じです。こんな時は、取り組む前から『1時間じゃ無理だ』と思うでしょう。『ざっくり1時間』と考えるから、なんだか時間がないように感じてしまうのです。
そこでまずは、1時間を『60分』と変換します。「1分間が60ピースある」ということです。
60分と考えれば『初めの10分で大枠を考えて、次の20分で……』と分けて考えられるようになります」

さらに「初めの10分」を10ピースに分け、最初の3ピースでアイデアを書き出し、次の5ピースで文字にまとめて……と、「だんどり力」でやることを整理し、時間の使い方をはじめに決めてしまうといいます。