2)メールに時間がかかったら「とりあえず」


以前から「メールを送るのに文言をひとつひとつ考え込んでしまい、時間がかかる」というご相談はあったのですが、リモートワークになってメールやチャットでのやりとりが増え、さらに時間をとられているようです。

メールでもチャットでも、文面を考えるうちに時間が経ってしまったら、「とりあえず」と唱えてみてください。必要な内容が書けていたら「とりあえず」送ってしまいましょう。

「この1通だけで完璧にわかってもらおう」とすると時間がかかりますが、メールもチャットも、一方通行のものではなくてキャッチボールです。コミュニケーションを自分だけで背負ってしまうのではなく、相手にも頼りましょう。

質問に対して回答漏れがあったら相手も指摘してくれるでしょうし、わからない点は問い合わせてもらえたらいい。「何度やりとりしてもOK」ぐらいに気持ちをゆるめると、1通のメールに時間をかけすぎずにすみますよ。

「メールだとニュアンスが伝わるか心配」という案件は電話にするなど、自分が安心できる方法を探ってみてくださいね。
 

 

3)リモートワーク明けの不安:自分の感覚を大切にする


「リモートワークのほうがストレスが少ないし、心穏やかに働ける。出社時が不安」など、リモートワーク明けの不安を抱える方もいらっしゃいます。そんな方は、出社が始まった際の感覚を大切にしてください。

繊細さんがリモートワーク&出社再開で疲れないためのポイント3つ#コロナとどう暮らす_img0
 

「人と会って話せるのって、やっぱりいいな」「この会社が好きだな」と思えるならそれでOKです。逆に、出社したときに「うっ」と息が詰まるような感覚があったり、職場で過ごすことに強いストレスを感じたりしたら、それらをなかったことにせず、「自分の正直な気持ち」として受け止めてほしいのです。

「リモートワークのほうがいい」と感じるのは自然なことですが、出社に強い不安を感じる方は、もしかしたらご自身でも薄々、「今の職場は合わない」と感じていらっしゃるのではないでしょうか。

これまで繊細さんたちから仕事選びのご相談を受けてきましたが、自分に合う仕事や職場をみつけるには、まずは立ち止まる時間が必要です。ストレスから心理的に距離をとり、心が落ち着いた状態で「私のやりたい仕事ってなんだろう? どんなことが得意なんだろう?」と考える必要があるのです。

日本は労働に重きが置かれる国であり、ふだんは休むこと自体がなかなか難しい空気があります。しかし今回は、いわば強制的に、働くスピードを落とす期間ができました。(なかには忙しくなった方もいますので、個人差がありますが)

リモートワークによって物理的にも心理的にも会社と距離が空き、残業が減ったりプロジェクトが延期になったりと仕事の負荷が減るなかで、今の仕事や職場をどう思っているのか、どんな環境だと働きやすいのかなど、本音がわかりやすくなった面があります。合わない職場にいる方ほど、「これまで無理していたんだな」と気づきやすくなったのです。

詳しくは、著書『繊細さんが「自分のまま」で生きる本』に書いたのですが、仕事でも人間関係でも、自分に合う環境へ移る第一歩は「合わないものに対して『イヤだ!』としっかり思うこと」です。

「困ってるけど、まぁなんとかなっている」という状況だと、かえって今いる環境から抜け出せないのです。とことん悩み「こんなにつらいのはもうイヤだ! もっと自分のために生きていいはずだ!」となることが、今いる環境を脱出し、自分に合う環境を探す原動力になります。大変なことではありますが、「イヤだ」という感覚をなかったことにせず、どうか大切になさってくださいね。今すぐの転職は難しくても、「本当はこういう仕事/働き方をしたい」と本音を確かめておくことが、今後の自分を助けてくれるのだと思います。

前回記事「【繊細さん】コロナ禍のストレスを上手に発散するポイント3つ」かもしれない」はこちら>>

 
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