タレントのアン ミカさんとともに、人生の第二ステージ「セカンドステージ」を前向きに考えていく連載です。

夫婦・親・子どもとの関係や職場の人間関係や自分自身の将来や健康など、人生の第二ステージを前にしたミモレ世代の悩みのタネは尽きません。今回はミモレ読者から寄せられたお悩みをアン ミカさんとともに考えていきます。

 

日常の変化を嘆くのではなく、この悩める時間を、これからの人生を前向きに舵取りしていくための準備期間に充ててみませんか?

【写真】アン ミカさんの素顔と私生活>>

 

【転職・キャリアのお悩み】

私は会社員ですが「時間に縛られないで仕事ができたらいいのにな」と感じます。

手に職はありますが、おそらく私のこの職種は基本的に時間や締め切りに追われ続ける仕事です。好きなことを仕事にできてきたつもりですが、もう少しのんびり仕事したいな、とぜいたくなことを考えています。ほかの仕事……と考えたときに、「好きを仕事に」すると新しいことも学びやすいと聞きました。

しかし、仕事にできそうな好きなことってなかなか見つかりません。というか「『私の好き』って何さ?」という疑問まで浮かんできます。こういうのって突き詰めていくしか答えは見つからない気がしているのですが、アン ミカさんはどう思いますか?

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(編集部注)この方は「セカンドステージを前にして悩んでいること」についてもこのようにお悩みを寄せてくださっていますので、こちらも紹介します。

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「自分の好きなこと・夢中になれること」を見つけたいです。
いろんなことをやっては辞めていますが、続けたいと思うような趣味にも出会えておりません。何かが間違っているんだろうか? 方法が違うんじゃないだろうか? 様々思うのです。アン ミカさんは自分の好きなことをどうやって見つけていますか?
(ぐみこさん・46歳)



できる仕事と好きな仕事は違う。だから……


ぐみこさん、ご相談ありがとうございます。
お洋服でも自分が「好きなもの」と「似合うもの」が違うことってありませんか? それと同じように、仕事でも「できること」と「好きなこと」が違うことってあると思います。

そこでひとつ提案です。それは「好きなことを探すのではなくて、自分ができることを好きになる努力をしよう」ということ。『ピーター・パン』の作者であるイギリスの劇作家ジェームス・マシュー・バリーが「幸福の秘訣は、自分がやりたいことをするのではなく、自分がやるべきことを好きになることだ」と言っていて、私もすごく大事にしている言葉です。努力せずして、私の好きはどこにあるんだろう?というのは、実は「好き」を探しているんじゃなくて「楽」を探していることになるかもしれません。でも、社会はそんなに甘くないので、自分がやるべきことを好きになれるように勉強したり、自分に向いていることを職にしていくのがシンプルにいいのではないでしょうか。

その上で、自分が向いていることを探すいい方法が、子どもの頃に人から褒められたものに立ち返るということ。人ってやっぱりそれぞれ才能があり、それは同じ親から生まれた兄弟であっても違うものです。

思い出してください。子どもの頃、親や友達から褒められたこと。頼りにされたこと。クラスで担当させられたこと……。

「ノートがすごくきれいにまとまってるね」
「○◯ちゃんに教えてもらうとわかりやすい!」
「絵がとっても上手だね」

やっぱり人ってまわりから褒められると、それが自信になりますよね。まわりとの気持ちが循環しないと、人は「これが好き」って認識しにくいもの。嫌いだったことも「あなたがやると違う!」と言われたら好きになっちゃいませんか? これってとても建設的。社会は効率で動いているので、適材適所で仕事をするのが良い。そこで能力を発揮すれば、評価されて収入にもつながり、職場の居心地もよくなっていくと思います。

だからまずは、自分が動いたことで喜んでもらえた経験に立ち返って、それを書き出してみてください。そうすると「私はこれをしているときが心地いいんだ」「これが周りに求められていることなんだ」というものが見えてきますよ。

 
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