小竹さんに教えてもらったTipsの中でも個人的にとても効果を感じたのが、「あらかじめ調味料と材料を出しておく」こと。「そんなちょっとしたこと?」と思われるかもしれませんが、途中で思考や作る手にストップがかからない快適さといったら……!本当にストレスが軽減され、「料理=めんどくさい」という感覚がびっくりするほどなくなりました。
そして、「“手抜き”と“おいしさ”のバランスが絶妙なものだらけ」と語るクックパッドのレシピを日本一見てきたと語る小竹さんに、みんなに愛される「バズるレシピ」の共通点について聞くと、こんなお答えが返ってきました。
 

「おにぎらず」の拡散も「つくれぽ」の誕生も、すべてはユーザー発


「人気の出るユーザーのレシピは、みなさん読み手に対し親切丁寧であることが共通しています。作る工程もそうですし、材料に関しても、『今回は豚肉を使っていますが、鶏肉でもOKです』とか、ちょっとした心遣いがある。
私も尊敬している人気ユーザーのせつぶんひじきさんは、元キャビンアテンダントで、結婚を機に専業主婦になった方。数多くの海外渡航歴と食べ歩きで得た知識を存分に発揮されていて、言うなれば、私たちの半歩先をいっているような感じ。スタイリングも上手で、センスの良さが伝わってきます」

クックパッドは人気ユーザーのみならず、「おにぎらず」といったレシピや食材などを食卓に拡散させていきました(編注:「おにぎらず」の本家本元のレシピは漫画『クッキングパパ』)。これらのヒットは、どのようにして生まれたのでしょうか。

 

「『検索に何か仕込んだりとかしているんですか』とよく聞かれるんですが、何もしてないです。ユーザーから生まれてきたヒットの種が、ユーザーの動きによってブームになっていくんです。
ちなみに、クックパッドの機能も、ユーザーのアイデアから生まれています。例えば、多くの方に利用されている『つくれぽ』。実はこの機能は、もともとはユーザー同士が、互いのレシピで作った料理をメールやミクシィ内で送り合っていたことがきっかけで開発された機能なんです」

そんなクックパッド発のヒットの秘密も教えてもらった本稿に続き、次回は小竹さんのキャリアと料理の関係についてお聞きします!
 

『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』
著者:小竹貴子 日経BP社 1650円

家族のためではなく、自分のための料理をーー。日本一クックパッドのレシピを見てきた小竹さんが教える、読むと料理が得意になるTipsが詰まった一冊。調味料はすべて大さじ1で、汎用性の高いレシピの数々に驚くはず!


構成/小泉なつみ

 

第2回「社長室で子どもの寝かしつけ…私が専業主婦からクックパッドの役員になった理由」はこちら>>