プールの水から感染はするのか!?

 

では、プールはどうでしょうか。もしかすると、プールの水を通してウイルスが伝播するのではないかと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、その可能性は限りなくゼロに近いと考えていいでしょう。そもそもプールの水には感染症対策のために消毒剤が使用されています。このため、コロナウイルスもプールの水の中で活動し続けることは難しいと考えられます。

プールで潜在するリスクは、むしろ混雑した室内ロッカールームやカフェなどにあるでしょう。あるいは、ウォータースライダーを並ぶ行列にあるかもしれません。このように、感染リスクは必ずしも物や場所にあるのではなく、あくまで感染者とどの程度濃厚に長時間接触するかにあります。

もちろん混雑した場所でも感染者がいなければ感染することはありえず、そのリスクは地域の流行状況にもよると言えます。感染者がほとんど見つかっていない地域のプールであれば、当然そこに感染者が混じっている可能性も低くなり、感染リスクは低いと考えられます。

また、プールがどのぐらい混雑しているかも大切な要素です。非常に混雑しているプールであれば、隣の人からウイルスをもらう可能性が出てきますし、ガラガラのプールであれば、それを気にする必要はなくなるでしょう。

 

実家への帰省で考えるポイント

 

帰省についてはどうでしょうか。実家に車で帰るだけであれば、感染リスクは低いと考えるのが妥当でしょう。ここまでご紹介した他のあらゆるイベントよりも感染リスクの低いイベントの一つだとも考えられます。

一方で、もしあなたが東京都に住んでいて、普段から人との接点も多い仕事をしていたとして、田舎に住む両親のもとに帰省するシチュエーションを考えたらどうでしょうか。

自身の感染リスクは低いかもしれませんが、ご両親があなたやあなたのご家族から感染をもらうリスクは伴います。また、ご両親の年齢が高く、持病などもあれば、感染した際の重症化リスクも高いということになります。

このように、実家への帰省にあたっては、ご両親のリスクについてもよく考えておく必要があります。

しかし、これもまた天秤です。もし両親に今会わなければしばらく会えなくなる、毎年顔を見せなければ両親が強い悲しみを抱く、というように会うことの意義がとても高いのであれば、それはどんなリスクをも凌駕するのではないでしょうか。その場合には、やはり迷わず行くべきなのだと思います。

もちろん、行くとなったら、リスクを低減する方法をとることもできます。仕事の都合などで難しい場合もあるでしょうが、例えばテレワークが可能なお仕事をされているのであれば、実家に帰省する2週間前からは完全にテレワークとし、2週間症状が全く出ないことを確認してから車で帰省する。このようにすれば、自身が感染するリスクも極めてゼロに近い状態となり、ご両親とも安心して会えるのではないでしょうか。

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